「カン・ハヌルさんは星のような人」韓国の注目監督が現場で見た素顔

2021年12月16日 19時30分

エンタメ anan

いよいよ年に一度のクリスマスが近づいてきましたが、待っていたからこその喜びを感じている人もいるのでは? そこで、そんな気分にぴったりのピュアなラブストーリーをご紹介します。

『雨とあなたの物語』


【映画、ときどき私】 vol. 438


2003年、まだスマートフォンもSNSもない韓国。夢も目標もなく、ソウルの予備校に通う浪人生ヨンホは、長い間大切にしてきた記憶のなかにいた友人を思い出し、あてもなく手紙を出す。そのころ釜山にいたのは、自分の夢を見つけられないまま母親と一緒に古書店を営むソヒ。ある日、ヨンホから姉のソヨンに届いた手紙を受け取る。


「質問しない」「会いたいと言わない」「会いに来ない」という約束を条件に、ソヒは病気の姉に代わって手紙を交わしていく。偶然始まった手紙のやりとりだったが、返事を待つ楽しみがいつしかモノクロだった2人の日常を鮮やかに彩り始める。やがてヨンホは「もしも12月31日に雨が降ったら会おう」と提案をするのだが……。


1通の手紙によって始まった8年越しのひたむきな愛の物語を描いた本作。現在人気急上昇中のカン・ハヌルが主演を務めていることでも、話題となっています。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。

チョ・ジンモ監督


韓国で2021年春に公開された際には、興行収入初登場第1位を記録し、注目を集めているジンモ監督。今回は、現場で見たキャストの様子や手紙に関するエピソードなどについて、語っていただきました。


―最初に脚本を読まれたときは、どのような印象でしたか?


監督 まずは、純粋にいい脚本だなと思いました。そのうえで、作品に込められているメッセージには、以前から僕自身が気にかけていたことと一致する部分があったのも共感した理由です。それから、3年ほどかけて完成させました。


―ちなみに、監督が以前から気にかけていたこととはどのようなことですか?


監督 それは、他人に対しての想像力です。この作品では、そこが大きなテーマにもなっているわけですが、そういったものがいかに相手を幸せにするかを手紙という普遍的な媒体を介して描き、隠された形で表現しているところに感銘を受けました。


―軍隊にいたときにこの脚本を読んだカン・ハヌルさんは、思わず泣いてしまったので寝たふりをしたこともあったとか。


監督 彼がどこで泣いたのかを具体的には聞いていませんが、実は僕自身も自分の作品でありながら、この映画を観て何度も泣いてしまったことがあるんです(笑)。おそらくそれは、とても優しく描かれている繊細な脚本によって、自分が過去に経験したことを思い出したから涙が込み上げてきたんだと思います。

俳優たちには、感謝の言葉しかない


―今回はカン・ハヌルさんとチョン・ウヒさんの共演にも注目が集まっていますが、監督は「奇跡のようなキャスティングだった」とお話されています。どういった経緯でおふたりに決まったのでしょうか。


監督 まず、カン・ハヌルさんに脚本を送ったのは彼が軍隊にいるとき。すぐに脚本を読んでもらうことができ、気に入ってくれたので、出演してもらえることになりました。


チョン・ウヒさんに関しては、ちょうど彼女がとても忙しい時期だったので、脚本を読んでもらえるかもわからないような状態ではありましたが、たまたま時間が少しだけ空いたときがあったんです。そのときに脚本を読んでもらうことができ、感動したので出たいと言っていただきました。


もしあのときにタイミングよく(彼らに)時間ができなかったら、このキャスティングは不可能だったでしょうね。この業界ではキャスティングが自分の思い通りになることは、なかなか難しいことなので、恵まれているなと思いました。


―実際に、おふたりと現場をともにしてみて、感銘を受ける瞬間はありましたか?


監督 これは毎回感じていたことですが、彼らには本当に感謝の言葉しかないくらい、どれもありがたい時間でした。なぜなら、この映画はすべてを見せているわけではなく、隠された部分も多かったので、その代わりに俳優自身が想像力を使って表現しなければならなかったからです。


実は、当初はどこまでその意味をくみ取ってもらえるだろうかという心配もありましたが、彼らの表情や感情の出し方、そして視線にいたるまでどれもうまく表現してくれたので、それを見て感謝の気持ちが込み上げてきました。

時が経っても、変わらない心の動きを見せたかった


―劇中では、幅広い年代を演じられていますが、どういった演出をされましたか?


監督 今回は、8年という年月が流れていきますが、見せたかったのは見た目よりも心の変化。それも、変わらないという心の動きのことです。なぜなら、2人が心のなかに持ち続けたのは、お互いのことを想う気持ちですからね。


そこに重点を置いていたので、彼らも演じるうえで難しさを感じてはいなかったのではないかなと。時が経って髪は伸び、ファッションも変わったけれど、気持ちは変わっていないというのを見せられたと感じています。


―では、監督から見た主演カン・ハヌルさんの魅力についても教えてください。


監督 みなさんが持っている印象と実際の彼は、あまり差がないように思います。韓国には「良い人間であってこそ、いい俳優になることができる」という言葉がありますが、彼はまさにその通りの素晴らしい人。なかには、現場でピリピリしてしまう俳優もいますが、彼はスタッフみんなに配慮してくれる明るさがあります。そして、穏やかでありながらうちに情熱を秘めているところも彼の魅力ですね。


―劇中に登場する2人の女性を星と雨にたとえているシーンがありましたが、監督がカン・ハヌルさんを何かにたとえるとしたら?


監督 僕が決めていいのかわかりませんが、星のような人だなとは思いました。現場にはいろいろなタイプの人がいますが、彼はどんな人にも親しみを持って接し、相手が楽に仕事をできるようにしてくれるのです。だからといって先頭に立って引っ張っていくというスタイルでもないので、周りを導いてくれるような明るさを持っているところが星に近いのかなと。実際、みんなが彼に導かれていく瞬間は多かったように感じました。

待ったからこそ会える人や出来事があると思っている


―非常に興味深いたとえですね。現代は何かとスピード感が求められていますが、本作で描かれている「待つこと」にはどんな良さがあると思いますか?


監督 今回の作品では、待ったからこそ会える人がいることや待ち受けているといいことがあるよ、というのを伝えられたらいいかなと。もちろん、待っている時間は苦しいこともありますが、楽しさもあるものなので、そこを経て出会える何かは必ずあると思っています。


―監督自身は、待つのは得意なほうですか?


監督 そうですね。いまでもまだ何かと出会うのを待っているような気がしています。それは決まった人というわけではないですが、いつも誰かとの出会いを待っている感覚です。


―本作において、重要な役割を果たしているのが手紙ですが、手紙にまつわるエピソードがあれば、教えてください。


監督 最近は、手紙のやりとりというのはほとんどなくなりましたが、それでも本心を伝えるには一番いい方法だと思っています。僕が若いころは、ペンフレンドが世界的に流行っていたので、僕も海外に大勢のペンフレンドがいました。


そのなかでおもしろい話といえば、会いたくなって会いに行ったけど会えなかったり、顔を見たいから写真を送ってほしいと言った途端に文通を打ち切られてしまったり(笑)。数えきれないほどいろいろな思い出がありますね。でも、そういった文通を経験したことで僕の人間形成において、待つことの楽しさを教えられたのかもしれません。手紙を通して慰められたり、元気をもらったりしたので、文通をしていてよかったなといまは思っています。

成長過程において、近くにあったのは日本の文化


―劇中では日本に関わる描写も出てきましたが、ご自身は日本に対してどのような印象をお持ちですか?


監督 日本には親しい友達がいたので、これまでに10回以上行ったことがあります。もちろん友達に会うためではありましたが、大きな目的のひとつはおいしいご飯を食べられること(笑)。また落ち着いたら、ぜひ行きたいなと思っています。


―何か影響を受けている、お好きな文化や作品はありますか?


監督 僕が子どものときは、韓国で日本の文化に触れられる機会は少なかったですが、規制が緩和されてからは、いろいろなものを楽しむようになりました。いまでは日本の音楽も映画も、大好きになってしまったほど。僕の成長過程において日本の文化は近くにあったので、さまざまな影響を受けていると思います。


―それでは最後に、日本の観客に向けてメッセージをお願いします。


監督 まずは、この作品が日本で公開されることになり、本当にうれしいです。実は、「この映画は冬に公開されたらいいな」と思っていたので、ちょうど12月に公開されることにも喜びを感じています。ぜひ、本作とともにいい時間を過ごしていただけることを願っていますし、もし気に入っていただけたら、周りの方にも勧めていただけますと幸いです。

離れていても、お互いを想う気持ちが支えとなる


何事にも早さを求めがちな現代において、待つことで味わえる喜びを教えてくれる本作。一途な想いが引き起こす奇跡の瞬間は、寒さを忘れて心が温まるのを感じられるはずです。

取材、文・志村昌美

輝きが詰まった予告編はこちら!


作品情報

『雨とあなたの物語』

12月17日(金)よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー

配給:シンカ 


© 2021 KIDARI ENT, INC., SONY PICTURES ENTERTAINMENT KOREA INC. (BRANCH), AZIT FILM CORP., AZIT PICTURES CORP. ALL RIGHTS RESERVED

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2021年12月16日 19時30分

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