人気脚本家・中園ミホ「ドクターXのプロデューサーとの相性は...」大ヒットの意外な理由

2021年11月23日 20時10分

エンタメ anan

NHK連続テレビ小説『花子とアン』、大河ドラマ『西郷どん』、そして大ヒットシリーズ『Doctor-X 外科医・大門未知子』。誰もが知る人気作を次から次へと生み出す脚本家・中園ミホさんは、いまや日本のドラマ界で不動の地位を築いています。けれど、その成功の裏には「占い」があったそう。実は占い師としてのキャリアも持つ中園さんが、独自の開運哲学をまとめた『相性で運命が変わる 福寿縁うらない』を上梓しました。それを記念し、日常生活にいますぐ取り入れられる開運のコツを訊きます。

“悪い時期”は誰にだって訪れるもの


――中園さんは脚本家として有名ですが、実は占い師として活動されていた時期もあるんですよね。


中園 そう、14歳から占いの勉強を始めたんです。私は幼稚園の頃から4月、5月がすごく憂鬱で。桜が咲いてすごく楽しい時期のはずなのに、ゴールデンウイーク明けくらいまでは気持ちが晴れなくて、小学生の頃なんて一時期不登校になっていたくらいなんです。


その後、占いの勉強をしてみたら、私にとっては4月、5月が“空亡期”(苦手なことに取り組むことになる、試練の時期)であることがわかったんです。そのとき、「人の運気には流れがある」ことを知りました。1年周期でもあるし、12年周期、120年周期の流れもあるんです。


――それを知って、見える景色が変わりましたか?


中園 私みたいな気の弱い人間は、前もって知っておくことが大事なんです。悪い時期がやって来ることがわかっていれば、「これが過ぎれば必ず元気になれる」と耐えられるじゃないですか。ただ、占いによっては「悪い時期にはなにもしないほうがよい」と語るものがありますよね。私はそう思わないんです。悪い時期というのは、「苦手なことを克服する時期」でもあって。神さまから宿題を出されるので、コツコツ頑張らなければいけない時期とも言えます。


この悪い時期、私の占いでは空亡期と呼んでいますが、これまでの人生で5回くらい過ごしてきました。その時期を振り返ってみると、やっぱり苦手な宿題が出る時期だったんです。私は勤勉に生きるのが苦手で、本当はぼんやり過ごすことが好きなんですよ。でもなぜか、空亡期になると忙しくなってしまう。そんなときは「ここで頑張ればステップアップできるはず」と自分に言い聞かせているんです。


――中園さんの大ヒット作『やまとなでしこ』も空亡期に書かれたものと知って驚きました。


中園 『やまとなでしこ』もですし、その次のヒット作『花子とアン』も空亡期に書いた作品です。『やまとなでしこ』を書いているときなんて、本当に苦しかった。トラブルも多かったし、プロデューサーからの要求も高くなっていたし、絶対に妥協できなくなっていて。でも、ちょっと厳し目のことが起きる状況で作ったもののほうが、ヒットするんです。現場のスタッフやキャストを含め、みんなの化学反応によって大勢の人の心を動かす作品ができあがる。だから私にとって、空亡期はすごく大切な時期になっています。


どんな人と出会うかで、その後の人生が変わる

――空亡期の過ごし方以外に、本書で印象的だったのが「人との出会い」です。生きていると本当に大勢の人と出会いますが、その中に人生を左右するような出会いがあるんですよね。中園さんにとってのそれは、やはり林真理子さんでしょうか。


中園 林さんはただただ楽に過ごせるような関係ではなくて、ちょっと厳しい先輩のような存在なんです。まだ出会ったばかりの頃、ぐーたらお酒を飲んでいたら電話をいただいて、「中園さん、常に高みを目指さなきゃだめよ」とお叱りを受けて酔いが覚めちゃうことがありました。でも、そんなことを言ってくれる人なんていなかったですし、すごくうれしかった。


その後、大河ドラマ『西郷どん』を書けたのも、林さんが私を引っ張り上げてくれたから。「大河、一緒にやろうよ!」と言われたとき、「この人、なに言ってるんだろう…」と思いましたけどね(笑)。林さん自身が常に高みを目指している人なので、側にいると「私ももうちょっと頑張らなきゃ」と思えます。もしも林さんと出会っていなかったら、もっと楽なほうに流されて、書ける作品の幅は広がっていなかったでしょうし、ひょっとしたら脚本家を辞めていたかもしれません。


――そういう存在はすごく貴重です。ただ、どうすればそんな出会いに恵まれるかわからない、と思っている人もいるかもしれません。


中園 憧れの人を見つけたら、その人に近づいてみましょう。とはいえ、無理に親しくなる必要はないですし、そもそも物理的に近づけない存在もいますよね。たとえば好きなアイドルや尊敬する作家なんかとは、親しくなろうと思ってもなれるものじゃないですし。でも、そういう存在を見つけたら、ライブに行ったり講演を聞いたりするだけでも良い運気をもらえるんです。


逆に身近な存在だとしたら、挨拶するだけでも良い。素敵だなと思う人に挨拶をするだけでも、良い運気をシャワーのように浴びることができます。


――憧れが“嫉妬”に変わってしまうこともあると思うんです。そういうときはどうしたらいいでしょうか?


中園 もちろん、他人のことが羨ましくて仕方ないこともありますし、ときには悪口を言いたくなることもありますよね。でも、他人を妬むことは自分の運気を下げることにつながってしまう。だから、まずはそこから自分を救い出してあげてほしい。妬むのではなくて、「あの人はどうしてみんなに好かれるんだろう? どうしてあんなに素敵なんだろう?」と前向きの探究心を持って、近づいてみること。そして挨拶をしてみる。それだけで運気が巡ってくるし、気持ちも晴れるはずです。


相性の悪い相手こそ、自分が成長するチャンス

――人間関係の話でいうと、本書で「苦手な相手はまず占ってみる」ことを勧められていますね。


中園 そうそう。やっぱり人間関係のストレスって本当にきついじゃないですか。だから人間関係で悩むことがあったら、まずは相手を知るという意味で占ってみることを勧めているんです。その人の生まれ年だけでも聞き出して、どんな人なのかを占う。そうやって占いというフィルターを一枚入れることで、客観的にもなれます。


そもそも四柱推命という占いは、戦いのためにできたものなんです。占いで敵のことを知り、それを活かして戦略を立てていたらしくて。現代を生きる私たちに戦はないけれど、人間関係でつらいことがあったとしたら、占いを活用して戦略を立てるために活用してもらいたいんです。


――なるほど! それと「金運はお金持ちからもらう」というのも面白い考え方だと思いました。


中園 これはまた林さんの話になりますけど、私は彼女からお財布を3ついただいています。「財布をください」なんて普通はおねだりできないと思いますけど、林さんは気さくな方なので試しにお願いしてみたんです。そうしたら翌月からガラッと変わって。その頃、マンションを購入したばかりでカーテンを買うお金もなかったんです。でも林さんにお財布をいただいたら収入が途端に増えました。もしも身近にお金持ちの方がいるなら、きちんとお礼をする前提でお財布をねだってみても良いと思います。


――つまり「物を介して運気を分けてもらう」ということだと思うんですが、財布以外でも意味はありますか?


中園 もちろんです。それにもらうことが難しい場合は、その人の持ち物を真似するだけでも良いですよ。私は脚本家の向田邦子さんのファンなんです。でも彼女みたいになれないことはわかっていて。それでも近づくために、向田さんが使っていた鉛筆や鉛筆削りを全部真似して揃えたことがあります。するとやっぱり気分が違いますし、幸せになれますよね。


――それならすぐにでも実践できそうです。あと、「マイナス×マイナスの相性はプラスに変える」という発想も面白くて。相性が悪い相手からは離れがちじゃないですか?


中園 マイナス同士だと傷つけ合って終わると思われがちですけど、決してそんなことはないんです。たしかにちょっとした緊張感は漂うと思います。でも、自分と相性が悪いからといって、その人を敵だと捉えてほしくない。むしろ、そういう人と付き合うことで自分が成長することにもつながりますから。


実は『Doctor-X 外科医・大門未知子』の女性プロデューサーと私の相性がマイナス×マイナスなんです。でも、彼女と作ったシリーズはもう10年目を迎えました。もちろん毎回プレッシャーはありますし、ここまで来たら絶対にコケさせられないとも感じています。ただ、彼女がいたからこれだけのヒット作になった。ダラダラしていると叱られちゃいますけど、彼女のことはとても大切に思っていますね。

――中園さんの占いに説得力があるのは、誰よりも中園さん自身が身を持って「運気の流れ」というものを体現されているからなんだと思いました。


中園 実体験からくるお話もたくさん書きましたからね。もしも占いを知らなかったら、私はきっと不満ばかりこぼしていたと思います。気弱だし、ぐーたらだし(笑)。でも、占いの力を借りれば、私みたいに運気が弱い人でも幸せになれる。だからみなさんにも、そんな風に占いを活用してもらいたいんです。


【まとめ】


自分の人生と重ね合わせながら、占いの力について語る中園さん。でも最後に、「占いに溺れないで」と釘を差します。中園さん曰く、「占いは幸せになるためのもので、盲信して振り回されてはいけない」とのこと。たしかに、占い結果に一喜一憂し、身動きが取れなくなることがあります。でも、人生の舵を取るのは自分自身。占いは羅針盤のように活用しつつ、最終的には自分で決断していくしかないのでしょう。そんなポジティブな生き方を、中園さんは教えてくれました。

Information

『相性で運命が変わる 福寿縁うらない』(中園ミホ/マガジンハウス)¥1,450


私の運気を押し上げてくれたのは、才能でも努力でもなく、「出逢い」と「縁」、それに尽きるのです――。そう語る中園さんが、自身の開運哲学を詰め込んだ一冊。人気脚本家がどのように上り詰めていったのかを知りながら、占いについて学べる。気になる相手との相性を紹介しているページも必読!


写真・中島慶子 文・五十嵐 大

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2021年11月23日 20時10分

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