ジャルジャル「2人でいるときは0が100になる」コント王者を生んだ秘訣

2021年11月17日 19時30分

エンタメ anan

まもなく公開を迎える映画のなかで、異色の1本として注目を集めているのは、コントを映画化した『サンチョー』。そこで、主演を務めたこちらの方々にお話をうかがってきました。

ジャルジャルの後藤淳平さん & 福徳秀介さん


【映画、ときどき私】 vol. 431


昨年、キングオブコントで優勝し、名実ともにコントの王者となったジャルジャルの後藤さん(写真・左)と福徳さん(右)。本作では、単独ライブのネタをもとに生み出した“コントシネマ”という新たなジャンルに挑み、1人で何役も演じています。今回は、作品が誕生した経緯や撮影の裏側などについて語っていただきました。


―まずは、どのような経緯で映画を制作することになったのかを教えてください。


後藤さん 以前から単独ライブを年2回やっているんですが、コロナの影響で開催できない時期があったんです。ただ、すでに準備をしていたこともあり、ネタがもったいないから、映像にしてみようかという話が上がりました。そこで、クラウドファンディングをしてみたら、予想以上に多くの支援をしていただけることに。改めて、みなさんが応援してくれているんだと感じました。


―実際、“コントシネマ”という新しい形に挑戦してみていかがでしたか?


後藤さん まだ1本目なので、手探りの状態ではありますね。でも、ライブを観た方でも楽しんでもらえるように、ネタの順番やキャラクターの関係性など変えているので、そのあたりは注目していただけたらと。


福徳さん ライブだと直接お客さんを楽しませられますけど、映像だとまた違うので、どうなるのかわからないというのが正直なところですね。DVD用だと思って撮っていたので、まさか映画になるとは驚きました。でも、新鮮で楽しかったです。

この映画は、ニヤニヤしながら観てほしい


―今回、映画だからできた表現やこだわった部分といえば?


福徳さん やっぱり、キャラクターの3ショットが見れるところじゃないですかね。コントだと3人目はいる仮定でやっていますが、映像だと合成できるので、そこはおもしろかったです。


後藤さん あと、ドローンを使った迫力のある映像は、映画ならではだなと思います。


―確かに、山のシーンなどすごかったです。ちなみに、撮影中に何かハプニングはありましたか?


福徳さん 山の上に行く際、30分に1本くらいしかないリフトに後藤だけ乗り遅れて、スタッフみんなと頂上でのんびり過ごしたということはありました。


後藤さん いや、現場が遠すぎるって(笑)。教えてもらった住所をナビに入れていたんですが、なぜかかなり手前で止まってしまって、普通に遅刻してしまいました……。


―今回、舞台と映画で笑いに違いはあると感じましたか?


後藤さん ライブだと目の前にいるお客さんを思いっきり笑わせようとしますが、今回の映画の場合はナチュラルなので、どちらかというとくすっと笑ったり、心の奥で笑ったりしてもらえたらいいかなと。アハハというよりも、ニヤニヤしながら観てもらう感じですね。あまりお客さんを意識していないぶん、2人だけで没頭している感覚はありました。


福徳さん 僕らはカメラのアングルとかにはこだわっていないので、コントをするという点ではほぼ一緒でした。観客を想像できなかった代わりに、現場のスタッフさんたちが笑いをこらえてくれたらうれしいなと思ってやりました。

キャラクターを演じ分けるコツやスイッチはない


―劇中では、おふたりで合計11役も演じていらっしゃいますが、演じ分けるコツはあるのでしょうか。


福徳さん そんなこと話すと偉そうなので、恥ずかしくて語れないですね(笑)。ただ、切り替えのスイッチがあるとかではないです。


後藤さん 僕はあまり意識してないですけど、なぜか別人に見えますよね。自分で見ても、それは不思議です。


―ちなみに、演じたなかでお気に入りのキャラクターといえば?


後藤さん 男女のお笑いコンビが出てきますが、あの2人は好きですね。ネタ合わせで揉めているところは、ずっと見ていられます。


福徳さん 僕は、女装すると思いっきりできるので、演じていて楽しいですね。


―ライブのように、1発本番のような感じで撮っていたのでしょうか。


後藤さん そうですね。だいたい1回か2回やったら終了。きっちりとした台本がないだけに、セリフを忘れてNGみたいなこともありませんからね。そういう意味では、ライブと同じような生に近いところはあると思います。

僕たちは、コントができればそれだけでいい


―ライブができなかった時期を経てのライブというのは、格別なものだったのではないかなと。 


福徳さん やっぱりお客さんが直接笑ってくれるのは、いいものですね。あと、ライブ中に客席を見て「あ、昨日も来てた人がいる!」とわかると、うれしかったりしますから。


後藤さん 僕らのライブを観に来て、いい思い出を持って帰ってもらいたいなという気持ちは、以前より強くなったような気がします。目の前にお客さんがいると、アドレナリンは出ますね。


―昨年はキングオブコント優勝、YouTubeチャンネル登録100万人突破と大きな目標を2つも成し遂げました。今後目指しているものがあれば、教えてください。


後藤さん 今回のようなコントシネマはこれからも続けていきたいですし、いつかそれが海外にも広がっていったらうれしいですね。ただ、はっきりと決めているわけではないだけに、次回撮る作品は全然違うものになる可能性もあるので、ある意味それも楽しみです。


福徳さん 目標はだいたい半年単位くらいで考えることはありますが、僕らは基本的にコントができたらそれでいいんです。根底にあるのは、それだけじゃないかなと。あと、僕にとって大事なのは、いつも笑っていられるかどうか。毎日ヘラヘラながら生きるのが目標です(笑)。


―おふたりはお笑いにも活動の幅を広げていらっしゃいますが、いま興味のあることは?


後藤さん 特にないですね。僕にとって、お笑いは趣味でもあるので。ただ、お話をいただけるなら、おもしろいことはどんどんやっていきたいとは思っています。


福徳さん 本当のことを言うと、毎日何もしたくないんです(笑)。人前に立つのも、本来は苦手なほうですから。でも、コントをやりたいし、ただ楽しいからやっているというだけですね。

1人でいるときにネタを考えることはない


―1日のうち、ネタのことを考えている時間はどのくらいなのでしょうか。


福徳さん YouTubeに1日1本ネタを上げているので、「毎日大変だね」とよく言われるんですが、単独ライブの前に2人で一気にネタを作っているだけ。普段は何も考えていないですよ。


―つねにネタのことが頭から離れない、みたいなこともないですか?


後藤さん ないですね。「今日何食べようかな」とかばっかり考えています(笑)。打ち合わせの前に考えるとかもないので、1人でネタを考えている時間は0秒です。


福徳さん 僕も1人だったら0です。ただ、その代わりに、2人でいるときは0が100になりますね。


―なるほど。この1年で変わったことはありましたか?


福徳さん 毎年秋になると、学園祭をたくさん回るので、そこでいろいろな学校の雰囲気を感じたり、学生の様子を見たりするのが楽しかったんですけど、それがなくなってしまったのは残念でした。学生たちも青春が奪われてしまってかわいそうだなと思います。


後藤さん 確かに。早くやれるといいね。


―おふたりは、YouTubeに毎日ネタ動画をアップしていますが、そのほかに毎日欠かさずにしていることといえば?


福徳さん 空を見ることくらいですね。僕は家を出たらすぐに空を見たいタイプなので、住む部屋を選ぶ際の絶対条件は、マンションでも玄関を開けたらすぐに外廊下であること。そうじゃないと、何か気持ち悪いんですよね。


後藤さん 僕は基本的にだらしない性格で、決めごとを守れないほうなので、個人で続けていることもルーティンも特にないですね。どちらかというと、どれも三日坊主パターンです。

ジャルジャルという塊の一部のように感じている


―過去のインタビューで、「仲良しと思われがちだが、そういうのとは違う」とお話されているようですが、実際のおふたりの関係性はどんな感じですか?


後藤さん そもそも、仲がいいということの定義の問題かなと。プライベートでの付き合いはないですが、だからといって仲が悪いとかではないです。どちらかというと、ジャルジャルという塊の一部みたいな感じなので、それぞれを個別に考えてもいないのかもしれないですね。


福徳さん 確かに、一緒に食事に行くことが仲良しと言われたら終わりますけど、そういう一般的な感覚とは違いますね。ただ、街で見かけても無視します(笑)。


―無視ですか!? 実際に、街で偶然会ったこともあるのでしょうか。


福徳さん ありますよ。車でもよく見かけますけど、特に声はかけません。ただ、奥さんが一緒にいて、反応してくれたらもちろんリアクションしますが、1人だったら無視です。

ネタを見て、少しでも楽しんでもらえたらうれしい


―では、長年一緒にいて、自分にはないけど相手のすごいと思うところはどんなところでしょうか。


後藤さん ネタの書類を全部きちんと保管してくれたりするので、そういうきっちりとしたところはすごいなと思います。僕だったら絶対に紛失しているので、そこは僕にはないところかなと。


福徳さん 僕は、後藤のすね毛が意外と濃いところがすごいと思っています。


後藤さん 確かに、小学校の低学年くらいから、「あれ?」と思うようになって、中学生の頃には、立派な足になってました。


―(笑)。もしお互いに出会っていなかったら、自分の人生はどうなっていたと思います?


福徳さん ラグビー部の友達と同じように、普通に就職していたと思うので、お笑いはしてなかったでしょうね。


後藤さん 僕もお笑いには絶対に進んでいなかったですね。どうなっていたか、具体的にイメージすることすらできないです。出会う前は、自分が芸人になるなんて、1ミリも考えたことなかったですから。でも、素敵なお仕事に就けてよかったなとは思います。


―ファンに向けて、メッセージをお願いします。


福徳さん 毎日楽しいことだけじゃないと思いますが、僕たちのネタを見て、少しでも楽しんでもらえたらいいなと思っています。


後藤さん 僕たちは僕たちの体が持つ限り続けていくので、いま見てくれている人は引き続きごひいきにしていただいて、まだ見たことない方はこの映画をきっかけに少しでも見てもらえたらうれしいなと思います。

インタビューを終えてみて……。

コントやライブにかける思いを人一倍持っていらっしゃるジャルジャルのおふたり。数えきれないほどキャラクターを演じてきたからこそ、撮影時にはさまざまな表情を繰り出していて、その姿はさすがでした。本作でも、おふたりのいろんな顔をぜひ堪能してください。

笑いと青春が詰まった群像劇!


クセのあるキャラクターが次々と登場し、ジャルジャルワールドへと引き込まれていく本作。通常のコントとは、ひと味もふた味も違ったスケールと世界観を楽しめる新しいエンターテイメントの誕生です。

写真・山本嵩(ジャルジャル) 取材、文・志村昌美 

ストーリー


高校一年生の安田は、ある日登山部の顧問に呼び出され、退部届を出してほしいと相談される。顧問との山登りが学校生活で唯一の楽しみだった安田は失意の底に落されるが、その様子を一人も友達ができずにいたある生徒が見ていたのだった。


一方、公園では駆け出しの男女漫才師が解散の危機を迎え、別の場所では若手俳優が女性にアプローチを繰り返していた。さらに、オリジナルのカット技法を極めた美容師と先輩にいたずらをしかけようとする後輩、家主と鉢合わせてしまう泥棒など、それぞれの場所で必死に生きる彼らの人生はいったいどんな方向へ転がってしまうのか……。

笑いが込み上げる予告編はこちら!


作品情報

『サンチョー』

11月19日(金)より全国順次ロードショー

配給:吉本興業

ジャルジャルのトーク付 スペシャル上映回が、全国七都市で実施!

チケット情報などの詳細は、特設サイトよりチェックしてください。


©2021 「THANC YOU ─JARUJARU TOWER 2021─」 吉本興業

写真・山本嵩(ジャルジャル)

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2021年11月17日 19時30分

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