ゆりやんレトリィバァ「ほんまに人のことが全員大嫌いで...」 苦悩の時期を告白

2021年08月27日 21時10分

エンタメ anan

美乳特集に登場していただいたのは約1年前。相変わらず続けているトレーニングで一段と体に磨きをかけ、ボディスーツ姿もごらんの通り颯爽としている。芸人として培った引き出しを次々に開けるように、目を引くポーズや表情を見せてくれたゆりやんレトリィバァさん。

――そもそも、お笑いに興味を持ったのはいつからですか。


小学校の低学年ぐらいかな。同級生たちと“吉本ごっこ”みたいなのをしていて、人気芸人のギャグを真似るとみんな笑うんです。自分のネタでもないけど、そこでウケた時の快感を8歳ぐらいで知り、吉本新喜劇に入りたいと思い始めました。ちなみに当時は、モーニング娘。にも入りたかったし、その後は映画が好きになり、映画関係の仕事に…と考えて、TSUTAYAの店員さんになりたいとも思っていたんですけどね(笑)。


――映画がお好きなんですね。


とくに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が大好き。映画で見るアメリカの世界観とか英語がカッコよくて憧れで。だから高校受験に失敗したら、アメリカ留学をしたいとも思っていました。


――そこからどうやって芸人に?


高校時代の友達で面白かったなおちゃんに「一緒にNSC行かへん?」って誘ったら、「私の人生棒に振る気か!」って言われちゃって。それで大学4年の時に一人でNSCに入りました。卒業ライブのネタバトルで優勝して“首席”という称号をいただいて、翌月から先輩のラジオに出させてもらったり、テレビのオーディションを受けられたりと、他の人よりはチャンスを多くもらえました。普通、若手は劇場のオーディションに通らないとネタすらできないので、恵まれていたと思う。でも私はバラエティ番組も好きだけど、ネタを作ってネタで笑いを取りたかったので、まずは「R‐1ぐらんぷり」(現在は“R‐1グランプリ”。以下、R‐1)で優勝して認められたいな、って思ってました。


――そもそも最初からピン芸人でやるつもりだったんですか?


小5の時に始まった「M‐1グランプリ」の影響で、当時は漫才師になりたかったんです。何回かコンビを組んだこともあるんですが、いろいろあって解散して一人に。そうしたらネタ合わせの時間もなにもかも、全部自分で決められるからめっちゃ楽で、ピンでやろうって。’15年、初めて出場したR‐1で決勝までいかせてもらったんですが、たまたまだと思われたくなくて、また1年間ネタを作り続け、翌年もエントリー。決勝には残ったものの優勝できなくて。その夏、ブルゾンちえみ(現・藤原しおり)ちゃんが大ブレイクしたんです。


――彼女とは同い年でしたね。


はい。好きなものも似ていてネタがめっちゃ面白くて、私もこんなんやりたかったのに! って悔しさもあった。そこから、勝手に自分にプレッシャーを与えるようになってしまって。また1年、R‐1に向けてネタを作り続けながら、次こそは絶対に優勝してやる! って毎日自分を追い込んで、毎日悪夢を見て……。’17年も決勝には残れたけど、結局また負けてしまった。それが今までで一番悔しくて、また今日から来年の大会を目指して1年間、ネタを作り続けるのか…と。



――辛い時期があったんですね。


その年は、ほんまに人のことが全員大嫌い。ずっと何かにイライラしていたし、全員ライバルや! って。ある時、小籔(千豊)さんにそのしんどい気持ちを相談したんです。そうしたら「ライバルやと思う気持ちもわかるけど、結局他人がどうこうではなく自分が頑張ったら仕事はもらえる。全部自分やで。それに、成功した時に負の感情がそこにあるのはもったいない」って言われて。ようやく、変な妬みとかは捨てて、自分が楽しいと思えることをみなさんに伝えていこうと思えた。’18年も決勝に残ったもののまた優勝できなかったんですが、今まで“優勝、優勝”って思ってたけど、一度勝ち負け関係なく面白いことだけをやる年にしようと思ったんです。それで翌年はR‐1にエントリーせず、アメリカのテレビ番組のオーディションに応募しました。


――『アメリカズ・ゴット・タレント』ですね。あの星条旗の水着姿は日本でも話題になりました。


ありがとうございます! 結果は出せなかったけどすごく楽しかったんです。そのまま夏休みをもらって1週間ニューヨークに行き、飛び込みでスタンドアップコメディに参加してみました。でも自分の笑いが全然英語で表現できないし伝わらなくて、これはアメリカで生活して文化を知らんとあかん、と。それに、経験をしてできることが増えたらきっと、ネタだけじゃなくいろんな仕事につながるはずやと思ったんです。すぐに日本のマネージャーさんに電話して3か月の休みをもらい、それで昨年の1月から3月までアメリカへ。結局、コロナで戻ってくることになっちゃったんですが。


――日本を離れたら忘れられてしまうかも、みたいな不安は?


全然なかった。最初から不安を抱くんじゃなくて、何か起きてから怖がればいいや、って。


――そう思えるのは、昔から?


そうかもしれません。夏休みの宿題は最後の1週間で親に怒られながら泣きながらやるタイプ。でも結局できちゃうんですよね。だから「なんとかなるやろ」って思えるのは昔から。


――今年はR‐1で、念願の優勝を果たしましたね。


新たに出場資格が芸歴10年以内というルールができて、あ、私そういえばR‐1で優勝するために生きてきたし、やっぱり優勝したいわって(笑)。気持ちをすっかり切り替えたつもりやったけど、別に勝つとか負けるとかではなく楽しいことをやりたいだけです、みたいなスタンスの仮面をわざとつけてただけや、って思って。そやそやR‐1や、って(笑)。それで最初から「今年は優勝します!」って宣言しました。決勝進出が決まり、本番までの1か月は新幹線の中で「優勝はゆりやんレトリィバァです!」というところまでイメージして号泣したりもして(笑)。結果、芸人仲間やファンの方などたくさんの方に応援していただき優勝できたけど、今まで優勝できなくてよかったと思えるぐらいに人に感謝できるようになったし、大きな転機になったと思います。


ゆりやんレトリィバァ 1990年11月1日生まれ、奈良県出身。第1回「女芸人No.1決定戦 THE W」優勝、第19回「R‐1グランプリ」優勝。『2時45分からはスローでイージーなルーティーンで』(関西テレビ)、『Doki Doki! NHKワールド JAPAN』(NHK総合・NHKワールド JAPAN)ほか多数のTV番組にレギュラー出演中。単独ライブ『RE:RE:RE:RE:』が9/20、東京・有楽町よみうりホールで開催。


ボディスーツ¥14,300(ニー ミー/リディア TEL:03・3797・3200) ソックス、スニーカーはスタイリスト私物


※『anan』2021年9月1日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・伊東牧子 ヘア&メイク・George 取材、文・若山あや


(by anan編集部)

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