踊れるボカロ曲「グッバイ宣言」で大ブレイク! 要注目のボカロPたち

2021年08月07日 19時10分

エンタメ anan

顔出しなし、ネットカルチャー発、ボカロネイティブ…。素顔を見せず、歌と世界観で魅了する、注目のアーティストをご紹介。

Kanaria


彗星のように登場した、天才肌の新世代ボカロP。



2020年5月に「百鬼祭」でデビュー。8月に発表した2作目「KING」が、投稿からたった4か月で1000万回再生を突破。いま大きな脚光を浴びているボカロPがKanariaだ。Adoと同じく今年3月に高校を卒業したばかりで、年齢は19歳。シンプルなリズムに中毒性たっぷりのフレーズを持つ「KING」のブームは今年に入ってさらに拡大し、「歌ってみた」や「踊ってみた」など、YouTubeで公開されているユーザー作成コンテンツ(UGC)を集計し、ネット上のバズを可視化した、Billboard JAPAN「Top User Generated Songs」の2021年上半期チャートでは、Ado「うっせぇわ」を上回り1位を記録した。和楽器を用いた「百鬼祭」、ゴシックファンタジー調の「エンヴィーベイビー」など作風も幅広く、先日には歌い手・そらるが発表した「ブルーパレット」の作詞・作曲・編曲も担当。発表された楽曲はまだ少ないが、底知れない才能の持ち主だ。


代表曲「KING」



速いテンポのエレクトロ・ビートにゴシックな雰囲気のシンセフレーズ、畳み掛けるようなメロディに中毒性のある一曲。「歌ってみた」動画の広がりが人気を押し上げた。


3作目「エンヴィーベイビー」



歌詞や曲調、イラストレーターLAMが手掛けたMVのイラストも含めて「KING」と対になるようなテイストを持った一曲。ダークファンタジーな世界観にも魅了される。


カナリア 性別不明、19歳のボカロP。2020年5月にYouTubeとニコニコ動画への投稿を始め、12月に自主制作盤『KING』を発表。同作収録の「KING」がYouTube上で大きな反響を呼ぶ。作曲家として楽曲提供も手掛ける。


Chinozo


踊れるボカロ曲「グッバイ宣言」が、TikTokで大ブームとなりブレイク!



2018年に投稿を始め、’20年4月に発表した「グッバイ宣言」で一躍人気ボカロPとなったChinozo。「歌ってみた」の投稿だけでなく、イラストレーターのアルセチカが描き下ろしたMVのキュートな決めポーズも後押しし、TikTokでフィンガーダンス動画がブームに。TikTokの2021年上半期楽曲ランキングではBTSを抑えて1位を獲得し、ボーカロイド曲のリスナー以外にも幅広く知名度を広げた。カッティングギターが引っ張る軽快なリズムに、癖になるフレーズを詰め込んだ作風、「踊ってみた」に映える明るい曲調も人気の理由。ボーカロイド曲を中心に、セルフカバーも発表。楽曲提供や3人組ユニットniKuのコンポーザーなど活動の幅を広げている。


“ボカロって自分の世界をこんなに表現できるんだ”


――音楽のルーツ、影響を受けたアーティストは?


L’Arc~en~CielやBUMP OF CHICKENの影響がかなり大きいです。バンド時代はギタリストとして名を馳せたくて、SIAM SHADEのDAITAさん、LUNA SEAのSUGIZOさんに憧れていました。あとは元々アニソンが好きで、菅野よう子さんや神前暁さん、田中秀和さんなど多くの方の楽曲から吸収させていただきました。


――ボカロPとしての活動を始めたきっかけは?


バンドを辞めてから、いろいろな音楽を聴いているうちに自分でも作曲したいと思うようになって。そこで当時、みきとPさんのアルバムを聴いて、ボカロを始めようと思いました。ボカロってこんなに自分の世界を表現できるんだと、素直に感動した覚えがあります。


――「グッバイ宣言」が完成した時の手応えは?


それまでとかなり作風が違うもので、投稿してしまうと何かが変わってしまうかも? という謎の感覚はありました。それこそ、僕自身明るい曲をあまり書いてこなかったのはもちろんですが、ここまで聴者を意識して書いた楽曲も投稿したことがなかったので。正直かなりビビってましたね。


――新曲「ショットガン・ナウル」はどういうイメージから作っていった曲でしょうか。


今回は「グッバイ宣言」が大きく広まった後の投稿になりますので、そこから僕を知ってくださった方にどう表現すればより心に響くか? そこをかなり考えましたね。


――この先の目標は?


アニソンのタイアップがしたいという目標があるので、必ず実現させたいと思っています。また、Chinozoの音楽がより多くの方の日常に浸透し、あわよくば支えになれるように、もっと頑張りたいなと思います。


代表曲「グッバイ宣言」



小気味いい曲調とメロディで、「歌ってみた」や「踊ってみた」のブームを巻き起こした一曲。歌詞のテーマは“引きこもり讃歌”で明るい曲調とのギャップも。


新曲「ショットガン・ナウル」



スピーディなリズムに言葉遊びや思わず真似したくなるキャッチーなフレーズを詰め込んだ歌詞が耳をひく新曲。移り変わりの早い曲展開、ギターの音色にも注目。


チノゾー 関西出身の男性ボカロP。15歳からギターを始め、大学ではバンド活動を行い、社会人になりDTMを始める。2018年よりボカロPとしての活動を開始。’20年4月に投稿した楽曲「グッバイ宣言」でブレイク。


※『anan』2021年8月11日‐18日合併号より。取材、文・柴 那典


(by anan編集部)

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2021年08月07日 19時10分

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