Ado「この先私が死ぬまで愛し続けます」 ボカロ愛を熱く語る

2021年08月06日 19時10分

エンタメ anan

ボカロPや歌い手から頭角を現したアーティストには、素顔やプロフィールを明かさずに活動するタイプも多い。単に“顔をかくす”のではなく、イラストや映像でイメージを伝える、新世代のクリエイターたちが脚光を浴びている。

Ado


圧倒的な表現力を誇る、ボカロネイティブ世代のシンガー。



「うっせぇわ」で彗星のようにシーンに現れたAdoは、今年3月に高校を卒業したばかりの18歳。小学生の頃にボカロ曲を聴き始め、ニコニコ動画でボカロ曲をカバーする“歌い手”に憧れて歌を始めたという“ボカロネイティブ世代”のシンガーだ。がなりあげるようなパワフルな地声、伸びやかなファルセットなど、複数の声質を自在に使い分ける歌声の表現力が最大の魅力。今も歌い手としてボカロ曲のカバーを投稿し、こよなく愛するボーカロイドのカルチャーについては「私がいなくとも、ボカロカルチャーやボーカロイドの魅力は、どんどんとどまることなく広まっていったと思います。私もその一因になれているのであればとても光栄です」と語る。


“この先、私が死ぬまでボカロを愛し続けます”


――最新シングル「夜のピエロ」は、どんな思いを込めて歌いましたか?


ボカロPのbizさんが書き下ろしてくださった「夜のピエロ」は、騒がしいネオン街の中にある孤独を描いた曲だと私は思っていて、そのどこか寂しい気持ちにスポットを当てて歌わせていただきました。この曲の主人公と一緒で、私も歌詞のような孤独や疎外感を何度も覚えたことがあるので、自分と重ねてしまいました。


――「うっせぇわ」のヒット以降テレビ出演なども増えましたが、Adoさんご自身が以前と変わらないと思っているところを教えてください。


私自身が変わらないと思っているところは、歌い手さん、ボカロPさん、そしてボーカロイドたちに対する敬意と、愛……といったら痛いかもしれませんが、それはAdoの活動に欠かせない要素で、ずっと彼女たちのことを尊敬していますし、この先私が死ぬまで愛し続けます。


――Adoさんが思うボカロの魅力を改めて教えてください。


そもそも人間が歌っていないというところが、J‐POPとは大きく違っているところですし、ロック、ジャズ、EDM、ハウス、エレクトロニカなどの様々なジャンルが混合しているのが面白いところだと思います。いろんな出合いができるところが魅力ですね。


――この先のビジョンや目標について教えてください。


正直、今後どうなっていくかはわかりませんが、ライブは行いたいと思っております。


代表曲「うっせぇわ」

「正しさとは 愚かさとはそれが何か見せつけてやる」という歌い出しも鮮烈なメジャーデビュー曲。迫力ある歌声と謎めいた存在感が話題を呼び、世代を超えて広まった。


新曲「夜のピエロ」



ボカロP・bizが手掛ける洒脱でダンサブルな曲調に乗せ、夜を舞台に孤独や不安の感情を歌った一曲。パワフルさに加え、深みや透明感も併せ持つ歌声の魅力を感じさせる。


アド 2002年10月24日、東京都生まれ。18歳の女性シンガー。’20年10月にリリースしたメジャーデビュー曲「うっせぇわ」は、ミュージックビデオとストリーミングの累計再生数が、共に公開5か月で1億回突破。


Eve


アニメ『呪術廻戦』主題歌も話題。ダークでカラフルな異世界を描き出す。



アニメ『呪術廻戦』のオープニング主題歌に起用された「廻廻奇譚」が、MV・ストリーミングともに再生回数1億回を突破するなど広く注目を集めたEve。2009年にニコニコ動画で“歌い手”としての活動を始め、自主制作アルバムを経て、’17年に発表した全自作曲収録のアルバム『文化』からはシンガーソングライターとして独自の音楽性を追求してきた。’19年にアルバム『おとぎ』でメジャーデビュー、以降はCMやアニメのタイアップも手掛け、人気を広げてきた。その魅力は、ひんやりとした響きの低音から伸びやかなハイトーンまで自在な歌声、そしてどこかダークでカラフルな異世界を描き出す楽曲の世界観にある。ツアー全公演で1万人以上を動員したライブでも素顔は見せず、MVは全てフルアニメーションで制作。MahやWabokuなど数々のイラストレーター/映像作家とタッグを組んで制作する映像表現にも惹き込まれる。


代表曲「廻廻奇譚」



自身も原作の大ファンという『呪術廻戦』の世界観に寄り添うように描かれた、疾走感あふれるロックナンバー。呟くような声から力強いハイトーンまで幅広い歌声も魅力。


新曲「夜は仄か」



「今日も生きてしまったな」という歌い出しで始まるダークなダンスナンバー。グルーヴィーなベースと優しい歌声が心地よい。MVはタイ在住のクリエイターZemが制作。


イブ 2009年からインターネットを中心に活動するシンガーソングライター。’19年2月に『おとぎ』でメジャーデビュー。’20年12月に最新EP『廻廻奇譚/蒼のワルツ』を発売。YouTubeチャンネル登録者数は300万人超。


※『anan』2021年8月11日‐18日合併号より。取材、文・柴 那典


(by anan編集部)

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2021年08月06日 19時10分

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