甲斐翔真が「絶対ミュージカルをやりたい」と思ったきっかけは?

2021年05月30日 21時10分

エンタメ anan

ミュージカルデビューは昨年の『デスノート THE MUSICAL』。以降、この1年半で『RENT』や『マリー・アントワネット』、そして上演中のミュージカル『ロミオ&ジュリエット』ではタイトルロールのロミオ役に抜擢されるなど、またたく間にその存在を印象づけた甲斐翔真さん。

真っ向から役に飛び込み、エネルギッシュな歌声で魅了。



「僕は運がよかったんだと思います。ほとんどの作品が、ちょうどキャストが大きく入れ替わるタイミングでオーディションがおこなわれたので…」


控えめにそう言うが、すべてオーディションで自身が掴んだ役だ。それまで『仮面ライダー』シリーズを筆頭に映像作品で活躍していた甲斐さんをミュージカルの世界に引き込んだのは、韓国で観た『ジキル&ハイド』だそう。


「プライベートで韓国に旅行した時に、事務所の人から『ミュージカルも観てきたら?』と言われて何気なく観たのが『笑う男』という作品だったんですね。とてつもなく面白くて衝撃を受けて、そこから韓国に行くたびにいろんな作品を観ていたなかで『ジキル&ハイド』を観た時に圧倒されて…。その後、もう一回韓国に行って1日で昼夜2回観劇して、自分も絶対にミュージカルをやりたいとなりました」


その同じ作曲家のフランク・ワイルドホーンによる『デスノート~』が初舞台というのも運命的だ。しかし、当初は喜びより苦しさが勝っていたそう。


「そもそも舞台自体が未知の領域すぎて、稽古って何? みたいなところからの出発でした。だからといって演出の栗山(民也)さんは僕を新人扱いせずに、高度なことを要求してこられる。求められるハードルが高く、その域まで到達しなくてはいけないのが苦しくて。でも本番が始まったら緊張を忘れるほど楽しかったです」



それほど心を掴んだのは、一挙手一投足に返ってくる観客の生の反応。


「ここまで積み上げてきたものがお客様に届いて、拍手が起こることがシンプルに嬉しかったんです。自分たちが発したもので人の心が動いたと感じられた時に、幸せだなって思いました」


その本番が毎日のように、そして何度も経験できることが「嬉しい」とも。


「うまくいったと思う瞬間はあっても、全体的にうまくできたことはないんです。でも、何回も本番があって理想を追い求められるのはありがたい。昨日の自分を超えたいんです。もともとスポーツをやっていて、負けず嫌い精神が身についているからなのかも」



ミュージカル『RENT』で演じたのは、恋人がHIV陽性になったことを苦に命を絶った過去から引きこもり、厭世的に生きるロジャー。その彼が感情を爆発させる場面での、やるせなさや哀しみ、行き場のない怒りや虚しさを抱えた心の叫びは強く胸を打った。


「ずっと溜め込んできた感情を抑えて抑えて一気にはじける。そこの起伏はすごく意識していました。歌ってはいるんだけれど、歌っていると思っちゃいけなくて、脳と気持ちをリンクさせながら発した言葉に、メロディがついていく感じというか。歌詞は言葉で、メロディはしゃべる時のイントネーションみたいなものだと思うんです」


その甲斐さんが、「甲斐翔真という人は“ミュージカルの人”なんだと印象づけてくれた作品」だと話すのが、今年頭のミュージカル『マリー・アントワネット』だ。数々の大作ミュージカルの第一線で活躍するキャストの中で堂々たる舞台姿で注目を集めた。


「フルオーケストラで歌うグランドミュージカルは初めてで、同じ歌でも、これまでとはすべてが違いました。歌唱指導の方につきっきりで反復練習を重ねて、基本から歌を改革しました。発声もですし、声の響かせ方から息の流れも全然違う。こういう“ザ・ミュージカル”という作品では、まずは美しい旋律を声で作り上げていくことが求められるんです。そしてさらに、そのなかに心情をきちんと入れていく必要があります。しかも、貴族の役だったので立ち居振る舞いも普段通りではいけなくて。そうしていく中で、自分の出したことがない声が見つかったり、まだまだいろんな可能性があるんだなと感じられた気がしました」



音楽で綴っていく舞台だからこそ、演じることを大事にしている。「ただただ綺麗に歌うようなことだけはしたくないんです」と熱を込める。


「人って一面的じゃないから、歌も一方向じゃないと思っています。たとえば、今回演じるロミオも、ただただ優しいだけの甘い青年じゃないですよね。どこかに憤りみたいなものも持っていて、本当に大切な友人が目の前で刺された瞬間、理性をなくして、衝動的に相手を刺してしまう激しさがある。でも一方で、すぐに言い訳したり気の小さいところもあって人間らしい。そういう多面的な部分をちゃんとロミオの中に作っていきたいし、歌の中でも表現していけるとも思っています」


そしていつかは、憧れのあの作品に。


「ミュージカル『ジキル&ハイド』が好きすぎて、自分の中でこの場面はこう表現したいっていうのがあるくらい(笑)。いつかやれたらいいですね」



かい・しょうま 1997年11月14日生まれ、東京都出身。ドラマ『仮面ライダーエグゼイド』で注目され、映画『君は月夜に光り輝く』など数々の作品に出演。今年、出演映画『偶然と想像』がベルリン国際映画祭コンペティション部門で銀熊賞を受賞。ロミオを演じるミュージカル『ロミオ&ジュリエット』は現在上演中。


シャツ¥30,800 カーディガン¥49,500 パンツ¥36,300 シューズ¥66,000(以上ファセッタズム TEL:03・6434・9893)


※『anan』2021年6月2日号より。写真・来家祐介(aosora) スタイリスト・吉本知嗣 ヘア&メイク・MIZUHO(vitamins) 取材、文・望月リサ


(by anan編集部)

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2021年05月30日 21時10分

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