ファーストサマーウイカ「音楽がやりたい」一心で叶えたソロデビュー

2021年02月13日 19時00分

ミュージック エンタメ anan

【音楽通信】第70回目に登場するのは、バラエティからドラマに舞台にとジャンルレスに大活躍中のなか、ソロアーティストとしてデビューを果たす、ファーストサマーウイカさん!

【音楽通信】vol. 70


小さいときから一貫して音楽がそばにある



劇団員やアイドルグループでの活動を経て、いまやその姿を見ない日はないぐらい、ジャンルレスに大活躍中の、ファーストサマーウイカさん。


バラエティ番組で見せる関西弁の豪快なキャラクターが脚光を浴びるなか、現在放送中のNHK連続テレビ小説『おちょやん』(NHK総合ほか 毎週月~土曜 午前8:00)へ出演するなど、女優活動にも期待が募ります。


そんなファーストサマーウイカ(以下、ウイカ)さんが、ソロアーティストとして、2021年2月22日に1stデジタルシングル「カメレオン」を配信リリースされるということで、音楽的なルーツなども含めて、お話をうかがいました。


ーーまず、ウイカさんはどのような環境で音楽にふれたのでしょうか。


中学生のときに、吹奏楽部に入って、毎日が音楽漬けになったことが音楽にふれたきっかけですね。私は打楽器担当になって、パーカッションを担当していました。パーカッションは曲によって、大太鼓や木琴など、いろいろな楽器を担当するので、飽き性な自分の性格には合っていましたね。その後バンドをやって、ドラムを担当して。ドラムもタムやシンバルなどがあり、飽きる暇のない楽器です。


ーーご自身でよく聴いていた音楽はありましたか。


親の影響もあり、一番好きなアーティストは、ユニコーンです。ほかには、すかんち、THE YELLOW MONKEYといったバンドのロックを聴くことが多いですね。


ーーすかんちのお名前を久しぶりに聞きましたが、キャッチーでいい曲多いですよね。


ボーカルとギターのROLLYさんは、人としても、一表現者としても、尊敬している方のひとりです。「どこからどう見てもROLLY」というビジュアルも、アイコン的なところで、私自身がエンターテインメントの世界で生きるうえで、参考にさせていただいていますね。


ーー高校卒業後、劇団に5年間在籍されていますが、当時は役者を目指していたのですか。


小学生の頃からやりたいことがたくさんあって、「声優さんになりたい」「劇団に入りたい」などと言っていたんです。でも、芝居やドラマをたくさん観て影響されたわけではなく、直感的に「やってみたい!」と興味があって。高校卒業後に、声優の専門学校に行ったこともあったのですが、途中でやめたのと同時に、劇団に入りました。しかも、失礼なことにその劇団の舞台公演を1本も見ていないのにオーディションを受けて。すべて、好奇心から行動しています。


ーーその好奇心で、劇団後は2013年からアイドルグループ「BiS」、解散後は2015年から「BILLIE IDLE®」として2019年まで活動されましたが、目指すアイドル像があったのですか。


劇団のときもそうなんですが、「やってみたい」という好奇心がまずあって、その内容に関しては、実はそれほど深い思い入れがないんです。「BiS」もオーディションで受かりましたが、当時BiSの曲やメンバーの名前も知らない状態で、軽い気持ちで受けて。そのときが22、3歳だったので「この歳からアイドルになれるなんてそうそうないだろう」と、好奇心で受けたら受かったので、そこからアイドルというものを知っていき活動してきた、という感じなんです。


ただ、小さいときから一貫しているのは、ずっと音楽はそばにありました。劇団に入っていたときも、プライベートではバンドもやっていましたし、音楽には常に携わっていて。アイドルになってからは自分たちの曲を歌ったり、作詞したりと、ずっと音楽は身近なものなんです。


ソロデビュー作は感銘を受けた阿部真央に依頼



ーー2021年2月22日に、シンガーソングライターの阿部真央さんが作詞作曲を手掛けた1stデジタルシングル「カメレオン」を配信リリースされます。ソロアーティストとしてデビューすることになった経緯から教えてください。


これまでもさまざまな関わり方で、どの時代も、音楽を心のなかに置いてきました。だからこそ、実はBILLIE IDLE®が解散した2019年12月直後から、どうにかして音楽を続けたいと考えていたんです。いままでソロアーティストはやったことがなくて、もっと表現の場を持ちたい気持ちもあったので、やりたいなと。


ソロ活動ならバンドメンバーを集めなくていいですし(笑)、事務所に「音楽がやりたいです」と伝えて、今回のソロデビューが実現しました。でも、自分ひとりで曲を作って出すのは性格的に違うと思い、阿部真央さんに曲をご依頼しました。


ーー真央さんの曲はずっと聴いていらっしゃったんですか。


そうですね。中学生までは80年代や90年代のロックを聴いていましたが、高校生になってからは軽音楽部に入って、BUMP OF CHICKENをコピーしたりと同世代の音楽をたくさん聴くようになりました。そのなかでも、真央さんは同世代で現役高校生でデビューされていて、すごくセンセーショナルだったんです。めちゃくちゃ歌がうまいし、バンドではなくソロでロックだし、女性であんなにかっこいい同世代は少なかったので、感銘を受けて好きでよく歌っていました。


そしていま、いざソロアーティストになって、誰に曲をお願いするかと考えると、嘘のない等身大の心の内をかっこいいロックにのせて発信し続けている真央さんだったら、すてきな曲を書いていただけるんじゃないかなと思って。それも好奇心ですね。


実際にお話ししてみると、「私とウイカちゃんはけっこう似てる」と言ってくださって。いろいろとヒアリングしてくれて、オーダーメイドで曲を作ってくださったんですが、真央さんの歌でもあるし、私のことでもあるし、ふたりにぴったりと寄り添った曲です。だからこそ、聴いてくれる人にも、「これは俺の歌か」とか「私のことを言っている気がする」と、自分のことのように感じてくれる部分もあるんじゃないかなと。想像していた以上に、真央さんの歌の力を感じました。


ーー「カメレオン」はアッパーでアグレッシブなナンバーです。歌唱力の高いウイカさんですが、デビュー曲ということで心がけたことはありましたか。


いままで歌は、グループのなかでパートに分かれて歌っていたので、全部フルコーラスで歌うことはほとんどなかったんです。5人組だと、1曲を5人で担当していたところが、ソロだとひとりで担うわけで。ひとりで5人だけじゃなく、10人、100人……もっと多くのいろいろな人たちに届くように歌っていかなきゃいけないと思うと、気負ってしまう面も。


グループでは、例えば、甘い声はこの人が担当するから私は力強さ担当でいこうかなということを考えながら歌っていました。その点、いまはひとりで歌えるので、自由度がすごく高まりましたね。これまで自分でやる必要がなかった行程があるというか、ひとりだからこそ、挑戦していけることへの楽しみがあります。


ーー「カメレオン」のミュージックビデオでは、ウイカさんが一人二役を演じながら、激しいバトルシーンを繰り広げていますね。


テーマは、強い女性なんです。女性が、自分のフィールドで闘う姿は、どの世界で仕事をしている人にも通じるものなので、「闘う強い女性をアピールしたい」と思いました。そしてカメラマンさんや監督さんなどからも、いろいろなアイデアをいただいて、一人二役で闘わせるのはどうかと言われ、面白いなと。私からも、マダムの扮装をした私の頭に、武器になるカーラーを巻くのはどうですかという小さいアイデアを出すことから、ストーリーに関わる大きなものまで、すごく意見を汲んでくださって。いままでは自分の意見が反映されることが少なかったので、こうやって作品作りができるのも、すごく楽しかったですし、うれしかったです。


ーー初めてのプロジェクトを経験するのはワクワクしますね。


私はアーティスト業を初めてやらせてもらいますが、年を重ねるにつれて、挑戦することや初めてのことに対して、恐怖が勝ることや「どうせやっても仕方がない」と諦める瞬間が増えてくるかもしれないと思ったんですね。実際には、望んでもできないこともいっぱいありますが、自分にできる範囲で「一個ずつ積み重ねていくことはできる」と思っていて。チャンスを逃したくないんです。


自分から掴んでいくことを体現できたらいいなと思って、私はいま30歳になりましたが、30からでも遅くないよという気持ちをミュージックビデオで闘う自分にのせて、この映像にのせています。自分と世間、自分と社会とも闘っていますが、結局闘っているのは自分自身。「カメレオン」の楽曲とビデオとは、一見テイストが違うように見えるんですが、実は“闘う”という面で通じていて。女性の方や、同じ悩みを抱えた方に、メッセージが届くといいなと思っています。


ーーソロデビューの一方で、NHK連続テレビ小説『おちょやん』第31話に、ハリウッド帰りの女優「ミカ本田」役で初登場され、朝ドラデビューも果たしましたね。


大阪制作の朝ドラって、関西人で役者をやっているとみんな憧れるものなので、デビューの夢が叶ってうれしいです。現場には、関西での演劇時代に知り合った先輩方や俳優仲間がたくさんいらっしゃったんですよ。夫で監督役のジョージ本田(川島潤哉)もそのひとりです。ジョージとは、東京の舞台でも一緒だったし、以前は、何度も飲みに行ったりもしていました(笑)。そのおかげで、あまり緊張せず、のびのびと自由にやらせていただきました。すごく楽しかったのでもっと出たかったですね。


ーーテレビ番組ですと、バラエティではダウンタウンさんの番組にご出演されているところを拝見することもあります。僭越ですが同じ関西人として思いますのは、ダウンタウンさんの番組ではとくに緊張なさいませんか。


早い段階から、ダウンタウンさんにお会いすることがありましたが、毎回、もちろん緊張します(笑)。関西人からするとよりいっそう、神さまみたいな存在ですよね。おふたりの前では「これやったら怒られるかな、やめとこうかな?」ではなく、「いけるだけいったれ!」と、私が課せられていることを物怖じせず、やりきることを心がけていて。それに、私がどんな粗相をしても、絶対に最後、どうにかかたちになるように助けてくださいますし、本当に優しい方々です。


曲を聴いてくれた人の前で歌えることを願う



ーーお話はかわりますが、趣味やいまハマっていることはありますか。


基本的にひとり遊びが好きなので、地味な趣味が多いんです(笑)。大好きなのは、いまは足を運ぶ回数も少ないですが、ゲームセンターでクレーンゲームをすること。感染対策もちゃんとされているお店ばかりで、ひとりで黙々とクレーンゲームをやって、アニメのフィギュアを集めたりしています。あとは、ひとりカラオケとか。最近は、携帯ゲームで、麻雀をひとり黙々と(笑)。芸能人は麻雀の集いがあると聞いて、だから麻雀を覚えて、いつか先輩方と一緒に麻雀をやる日が来るまで、ひとりで携帯ゲームをして鍛えています。


ーーウイカさんは、多くの人にその明るさを届けてくださっているように感じますが、気持ちの切り替えなどはどのようにされていますか。


私は根暗ではないんですが、ただ極端に明るくもなく、喜怒哀楽に対して振り幅が大きいというか。表現は明確なタイプです。だから、例えば暗くなるようなことがあっても、明るく元気に過ごすには、自分を喜ばせること。そのことに対して、一流だと思います。もし自分で苦痛だと感じる環境なら、何か原因があるから、つぶしていく。体が痛いならストレッチをやるみたいな感覚で、理由を探って対処しますね。あまり我慢させないです、自分に対して。苦しかったら、仕事でもプライベートでも、やる意味がないと思うから。


ーー今後は、ソロアーティストとして、コンスタントに作品リリースしていくのでしょうか。


今回、真央さんに楽曲を提供していただいて、想像以上に感動や興奮がありました。真央さんと私だからこその化学反応があって、こうしてコラボレーションで生まれていくものはまだあると思うので、今後も他のアーティストの方やクリエイターの方と一緒に、作品を作っていきたいですね。


ーーウイカさんのライブも観てみたいと思いましたが、そのご予定は。


実は2020年、ソロアーティストとしての企画が動いていたんですが、コロナの影響によりスケジュールが変わってしまいました。例えば、最初の第一歩になる、全国のCDショップをまわってリリースイベントをやるということができなくなって。グループのときは地道にリリースイベントをコツコツとやって、大きなホールでライブしたい気持ちが強かったんですが、いまもゆくゆくは大きなホールでライブしたいものの、まずは曲を聴いてくれた方の対面で、小規模で歌える環境がくるといいなと強く思っています。


ーー4月から、劇作家で演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)さんの作品をさまざまな演出家の手で上演する「KERA CROSS」の第3弾で、今回河原雅彦さんが演出を手掛ける舞台『カメレオンズ・リップ』に出演されますね。


偶然にも“カメレオン縛り”で(笑)、私の曲の「カメレオン」というタイトルは真央さんがつけてくださったのですが、リリース後には『カメレオンズ・リップ』が始まるという、カメレオン期間が始まります(笑)。曲を聴いて知ってくれた方には、役者としての私も見ていただきたいですね。


舞台はKERAさんの本で河原さんの演出、そして共演者の松下洸平さん、生駒里奈さんほか、熟練した俳優のみなさんが揃っています。アーティスト活動ではのびのびとやらせていただいていますが、舞台に関してはちょっとブランクがあるので、心配ですね(笑)。でも地方公演で地方のみなさんにも会えるし、役者とアーティストと“カメレオンのセット”で、新しいファーストサマーウイカを知ってもらえるいいタイミングだなと思っています。


ーーお話ししていますと、ウイカさんのキーワードは「好奇心」なのかなと感じました。今後も好奇心を持ちながら、いろいろなことに邁進していかれるのでしょうか。


そうだと思います。いままでの30年間、好奇心のみでやってきました。たくさんの人に知っていただくこのお仕事も大好きだし、ずっとやっていきたいですが、今後はカラコンや化粧品のプロデュースなど、美容のことにも携わりたいです。自分で企画を出したものがかたちになっていく喜びは、エンタメと同じだから、たくさんの人の役に立つものを作ってみたいなと。美容系で何か良いお話のある会社さまがいたら、ぜひご連絡お待ちしております(笑)。


取材後記


バラエティ番組での切れ味鋭い話術やドラマでの存在感など、どのジャンルにおいても確実に結果を出すパワーの持ち主、ファーストサマーウイカさん。好奇心とともにある、底知れぬ努力と意志のもと、これからもたくさんの場面でわたしたちの心を明るくしてくれそうです。そんなウイカさんのデビューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。

取材、文・かわむらあみり


ファーストサマーウイカ PROFILE


1990年6月4日、大阪府生まれ。高校卒業後すぐ、地元大阪の劇団に約5年間在籍。2013年5月、アイドルグループ「BiS」に新メンバーとして加入しメジャーデビュー。2014年7月、横浜アリーナ単独公演で「BiS」が解散。解散後、NIGO®プロデュースで「BILLIE IDLE®」を結成。ライブを中心に活動し、2019年12月解散。同年1月に放送されたバラエティ番組出演をきっかけに注目を集める。


また、バラエティ番組以外にもドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』(TBS系 2020年)や連続テレビ小説『おちょやん』(NHK総合ほか)への出演、ラジオ『ファーストサマーウイカのオールナイトニッポン0』(ニッポン放送 毎週月曜27時)のパーソナリティなど、ジャンルレスに活躍の幅を広げている。


2021年2月22日、1stデジタルシングル「カメレオン」を配信リリースし、ソロデビュー。4月2日より、KERA CROSS 第3弾となる舞台『カメレオンズ・リップ』に出演する。


Information



New Release

「カメレオン」


2021年2月22日配信

anan

2021年02月13日 19時00分

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