浅香航大「見るだけで落ち着いてポジティブになれる」悩みの乗り越え方

2020年11月18日 19時00分

エンタメ anan

2020年は何かと不安にさいなまれるような日々を送っている人が多いと思いますが、そんななか現代社会でもがきながら生きている人たちをテーマに描いた映画『滑走路』が完成。今回は、いまこそ観るべき1本でもある本作に出演したこちらの方にお話をうかがってきました。

写真・大内香織(浅香航大)


俳優の浅香航大さん


【映画、ときどき私】 vol. 344


話題のドラマや映画に次々と出演し、幅広い役どころを演じている浅香さん。本作では、激務のなかで追い詰められていく厚生労働省の若手官僚・鷹野を演じています。そこで、さまざまな葛藤を心に抱えている難しい人物を演じるうえでの苦労や壁にぶつかったときの対処法などについて語っていただきました。


―この作品では非正規雇用やいじめなど、多くの社会問題について描かれていますが、まずは出演したいと思った理由から教えていただけますか?


浅香さん こういったテーマを描いた社会派の作品は、いまの世の中ではそんなに多くはないですが、だからこそ精力的に取り組んでみたいという気持ちがありました。自分のキャリアのなかでも、ここまでシリアスな作品には出演したことがなかったので、ぜひ挑戦してみたいなと。あとは、脚本を読んだときに、ストーリーの構成や繊細さに惹かれたというのも大きかったと思います。


―本作のモチーフとなったのは、歌人・萩原慎一郎さんの遺作『歌集 滑走路』ですが、原作の歌集を読まれたときの感想はいかがでしたか?


浅香さん 僕は好きな作品でしたね。不思議なことに、撮影に入る前に読んだときと終わってから読み返したときとでは、感銘を受けた歌が変わっていることに気が付きました。正直言って、わからない歌もありましたが、それはもう少し自分が大人になったら理解できるんじゃないかなと思うので、いつかまた読み返したいと考えています。

自分らしさをもっと前に出してもいいと思えた


―ちなみに、最初に心に響いたのは、どんな歌だったのか教えていただけますか?


浅香さん 「占いの結果以上にぼくたちが信じるべきは自分自身だ」という歌です。実際に僕が占いに行ったりすることがあるというのも理由かもしれませんが、力強い言葉を聞いてがんばろうという気持ちになれました。


―占いに行かれるというのは、少し意外ですね。


浅香さん 実は、けっこう好きなんですよ(笑)。それで自信をもらえたり、救われたりすることってみなさんもありますよね? ただ、たまに嫌なことを言われることもあるので、そういうときは「占いなんて!」と思うこともありますけど……(笑)。でも、それがきっかけで自分が前を向けるならいいんじゃないかなと。


―確かに、すべてを信じるわけではなくても、占いの言葉で前向きになれることってありますよね。読み返したときに、感銘を受けたのはどの言葉ですか?


浅香さん 最近読んで好きになったのは、「破滅するその前にさえ美はあるぞ 例えば太陽が沈むその前」という歌です。この歌集では最初と最後で言っていることが真逆に変わっていたりする部分もありますが、そういう変化もいいなと。「自分らしさをもっと前に出してもいいんだよ」と認めてくれているように感じることができるんですよね。

役を演じることをストレートに突き詰められた


―どちらも素敵な言葉ですよね。では、鷹野を演じるうえで意識したのはどのようなことでしたか?


浅香さん 重たいテーマで、脚本の構成も難しい作品ではありましたが、僕としてはこの役を演じることに対してストレートに突き詰められたと思っています。演じるなかで、監督とこだわっていた部分があるとすれば、最後まで涙を見せないということ。いろんな人と会うなかで、うるっとすることはあっても、そこで泣くことができずにため込んでしまうのが鷹野という人物だと考えたからです。


過去のつらい経験が彼の人格形成に影響を及ぼしていることもあり、周りと壁ができてしまったんだと思いました。そんななか、過去と向き合うことでようやく前を向くことができ、最後に涙を流すことで彼自身が浄化できたんだと感じています。


―なるほど。では、できあがった作品をご覧になったときの感想も教えてください。


浅香さん 今回は、鷹野と30代の女性と中学二年生の少年という3人の人生が描かれていますが、別々に撮影していたので、現場で共演者の水川あさみさんや寄川歌太くんたちと会うことはできませんでした。


ただ完成した映画を観たら、みなさん素晴らしくて圧倒されましたし、説明過多になることなく、観客に委ねている部分とのバランスがすごくいい作品だなと。あとはきれいな画のシーンが多くて、どれも印象的だと思いました。

一喜一憂しながらいい仕事をしていきたい


―今回演じた役では、理想と現実の狭間で苦しむ姿も描かれていますが、ご自身もそういう経験はありますか?


浅香さん 俳優というのは夢を追う仕事でもあるので、「こうなりたい!」という気持ちばかりが先行して、現実が追いついていないようなことはいままでもありました。おそらく、今後もつねにそういう気持ちとともに歩んでいくんだろうなとは思っています。僕は小さなことでも悩みやすいタイプではありますが、一喜一憂しながら少しずつでもいい仕事ができたらいいですね。


―ご自身が壁にぶつかったときは、どのように対処されていますか?


浅香さん 寝れば多少は大丈夫になることもありますが、昔に比べると徐々に悩みとの向き合い方はうまくなってきたような気がしています。それこそ思春期のころは理想すら何かわからなくて、よくわからないイライラを抱えていたこともありましたけど、いまはコツがだんだんわかってきたという感じです。


最近している対処法のひとつは、感銘を受けた言葉をメモして壁に貼ること。そういう言葉をふと目にするだけでも落ち着きますし、ポジティブな気持ちになれるのでいいですよ。


―そういったことを始めるようになったきっかけは?


浅香さん 2年くらい前に引越しをしたときです。心機一転というのもありましたし、自分と向き合う時間が増えたというのも大きかったと思います。あとは、武田鉄矢さんのラジオに出会ったからですね。いつもすごくいいなと思うお話をしてくださるので、忘れたくないなと。武田鉄矢さんのラジオは、本当にオススメです!

そんなにがんばらなくても、少しくらい休んでも大丈夫


―おもしろそうですね。ちなみに、いま貼っている言葉のなかでもお気に入りを教えていただけますか?


浅香さん 人間関係についての言葉ですが、「疲れたら休めばいい。人はそんなに遠くへは行けない」です。けっこう、他人の顔色をうかがって生きている人も多いと思いますけど、「そんなにがんばらなくても、少しくらい休んでも大丈夫だよ」「もっと自分らしく好きにやってもいいんだよ」と言われているような気がして、感銘を受けました。


―これはどなたの言葉ですか?


浅香さん 武田鉄矢さんのラジオで聞いた言葉ですが、番組のなかで本を題材に解説をされているコーナーがあり、そのときに聞いたものだったと思います。本に書いてあった言葉なのか、本を読まれた武田さんから出た言葉なのかわかりませんでしたが、すごくいいなと思って書き留めました。


―ちなみに、いま壁にはどのくらいの言葉が並んでいるんですか?


浅香さん 50個くらいはあるかもしれないですね。でも、そこには自分の目標も貼っているので、「語学」とか「素直」とかシンプルな言葉も多いですよ。そのおかげで自分の気持ちをコントロールすることができているように感じています。とはいえ、たまに愚痴みたいなことも書いてしまうこともあるんですけど(笑)。

これから次のステージへと向かっていきたい


―本作にも通じるところだと思いますが、やはり“言葉の力”は大きいですね。


浅香さん そうですね。過去にはすごく悩んでいたときに、母親からの言葉に救われたこともありました。たくさんの言葉を無償で怒涛のように投げかけてくれましたが、そのときに改めて親はすごいなと。恥ずかしくてどんな言葉だったかは言えませんが、悩んでいるときに親に相談するというのも、意外とありだなと思いました。あとは、趣味に没頭して悩みを忘れることも多いですね。


―いま一番ハマっている趣味といえば何ですか?


浅香さん キャンプです。以前はひとりでもキャンプに行っていましたが、やっぱり友達と行くほうが楽しくていいですよね。きっかけはキャンプ好きの友達に誘われたことでしたが、昔から自然は好きだったので。外で火を見ながらお酒を飲み、ご飯を食べてその場で寝るって、それだけでワクワクしますよね! キャンプに行くと癒されます。


―お仕事が終わってご褒美にしていることはありますか?


浅香さん 作品が終わるごとに、大酒を飲むことですかね(笑)。年を重ねるごとに、お酒やつまみを純粋に楽しめるようになってきているような気がします。


―そういった息抜きは大切ですよね。現在28歳になられましたが、今後目標としていることがあれば、教えてください。


浅香さん パワフルでエネルギッシュな人に憧れているので、人間味がにじみ出るような人になりたいなと思っています。やっぱり人間力は大事ですから。あとは、最近トレーニングを始めたので、いろいろな意味で次のステージへと向かって行きたいです。

インタビューを終えてみて……。

一見、クールな雰囲気が漂っていますが、意外な素顔を教えてくださったり、とても気さくで優しい笑顔が印象的な浅香さん。劇中では、繊細な表現が求められる難しい役どころにもかかわらず、見事に体現されています。浅香さんもオススメする美しい画とともに、ぜひスクリーンで堪能してください。

つらさを乗り越えて“生きる翼”を手に入れる!


非正規雇用やいじめ、過労、キャリアなど、多くの人が抱えている根深い問題に切り込みつつ、生きづらさを感じている現代人に希望も感じさせてくれる本作。魂を揺さぶる言葉を胸に、自分だけの“滑走路”へ向かって走り出してみては?

写真・大内香織(浅香航大) 取材、文・志村昌美

スタイリスト:根岸豪 ヘアメイク:泉脇崇

ストーリー


理想と現実の狭間で苦しみながら、激務に追われる毎日を過ごしていたのは、厚生労働省で若手官僚として働く鷹野。いっぽう、30代後半に差し掛かった切り絵作家の翠は、将来的なキャリアと夫との不和に悩んでいた。そして、幼なじみをかばったことで自分がいじめの標的になってしまった学級委員長の少年もまた、ひとりで問題を抱え込むことに。


それぞれの苦しみを内に秘めた3人の人生が交錯したとき、言葉の力が時を超えてひと筋の希望の光になろうとしていた……。

心が叫びたくなる予告編はこちら!


作品情報

『滑走路』

11 月 20 日(金)全国ロードショー

配給:KADOKAWA

©2020「滑走路」製作委員会

anan

2020年11月18日 19時00分

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