移住、周囲からの反発、女優との恋...モード界の革命児が語る波乱の人生

2020年10月01日 19時10分

エンタメ anan

女性にとってテンションの上がるワードのひとつといえば、「ファッション」。そこで、現在のファッションに多大な影響を与えているカリスマ的なある人物の人生を紐解いた話題作をご紹介します。それは……。

『ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン』


【映画、ときどき私】 vol. 327


2020年に70周年を迎えるのは、フランスが誇るファッションブランド『ピエール・カルダン』。創立者のカルダンがいまも現役で采配を振るう伝説のブランドでもある。これまでドキュメンタリー作品や伝記のオファーを断り続けてきたピエール・カルダンだが、本作でついに初密着が実現。


さらにカルダンと関わりの深い著名人が次々と登場し、その魅力を語りはじめることに。カルダンの知られざる素顔、そして波乱に満ちた97年の人生がいま明らかとなる……。


本邦初公開の映像から衝撃の告白まで、スキャンダラスな天才デザイナーの人生を垣間見ることができる本作。そこで、撮影秘話についてこちらの方にお話をうかがってきました。

P.デビッド・エバーソール&トッド・ヒューズ


今回、カルダンの初密着を許されたのは、私生活でもパートナーであるデビッド監督とトッド監督。おふたりにとっても刺激的な経験となったカルダンとのやりとりやファッションの持つ力などについて語っていただきました。


―まずは、本作に登場する著名人や関係者のみなさんに監督たちがした質問からうかがいますが、おふたりにとってピエール・カルダンさんは何者ですか?


デビッド監督 僕から見ると、透明性があって、自分のことをすべて見せてくれる方ですね。これまでは、あまり私生活を見せておらず、謎めいた人物だと思っている人が多いですが、実はそれは違っていたことがわかりました。というのも、彼は仕事を通して、自分自身とデザインをすべてさらけ出して表現しているんですから。それを見れば、彼が何者かはわかるはずですよ。


トッド監督 彼には、父親的なところもあると感じました。みんなに対してすごく寛大で優しくて親切で、励ましながら特別な気持ちにさせてくれるので、誰もが尊敬しています。なので、アドバイスがほしいとき、彼に相談することを恐れる人はひとりもいません。自分の知っていることを他人と分かち合ってくれる素晴らしい人なんです。


―では、密着している際に、カルダンさんから感銘を受けた瞬間はありましたか?


デビッド監督 すごくシンプルなことなんですけど、彼は自分が作ったものや成し遂げたことを褒めてもらったとき、心からの感謝を言える人。たとえば、僕たちは彼と会うときにはピエール・カルダンのネクタイをするようにしていましたが、それだけでも喜んでくれるんです。そういう姿にとてもグッときましたし、彼の心の広さみたいなものを感じました。


トッド監督 あと、とても驚いたのは、演劇を見ながら涙を流していたこと。彼がほかの人が作る実験的な芸術をあそこまで応援し、まるで自分も一緒に作っているかのように入り込み、一生懸命に感想を述べている様子には感動しました。

ファッションとは社会を映すものである


―忘れられないシーンのひとつですね。あと、彼が発するさまざまな言葉も印象的でしたが、監督たちの心を捉えたものはありましたか?


トッド監督 僕は「人に押し付けるのではなく、提案することが大切」というような言葉がとても美しいと思いましたね。


デビッド監督 僕が感動したのは、「ファッションは社会を映すものである」と言っていたとき。彼はただ素敵なものを作りたいというだけではなくて、ちゃんと文化的なことも考えているんです。つまり、ファッションと文化は呼応し合っているものだからこそ、お互いのことをしっかりと考えながら作っていこうと。その姿勢は素晴らしいですよね。


―この作品を通して、世界中のさまざまな著名人にインタビューされましたが、そのなかでも印象に残っている方といえばどなたですか?


トッド監督 まずは、やっぱりジャン=ポール・ゴルチエかな。カルダンとまったく同じようなハツラツさと素敵な人柄を持つ人で、とても光り輝いているように感じました。そして、彼はカルダンのことが本当に大好きなんですよね。でも、それは彼だけでなく、カルダンと仕事をしたことがある人はみんな一種のカルトのように彼のことを好きになってしまうんですよ(笑)。


デビッド監督 僕は、歌手のディオンヌ・ワーウィック。毎日メッセージのやり取りもしているくらい僕のお気に入りなんです! 彼女にNYでインタビューさせてもらったとき、彼女は引きずるほど長い毛皮のコートをはおってアパートの一室に現れましたが、特徴的なほお骨とあの声を目の当たりにした瞬間、ひざが震えましたね(笑)。


もともと彼女の音楽をずっと聞いていたというのもありますが、ご本人もあれだけ美しい人柄であることに感動しました。カルダンとのエピソードも印象深いものばかりでした。


トッド監督 あと、東京で会った高田賢三さんも、ディープで美しい声でお話されている姿が素敵でしたね。

次に密着してみたいと思うセレブとは?


―そんな個性豊かな方々と会われるなかで、次に密着してみたいと思った方はいませんでしたか?


トッド監督 それはいい考えですね。たとえば森英恵さんや高田賢三さん、シャロン・ストーン、ジャン=ポール・ゴルチエなどおもしろいストーリーを持っているんじゃないかなと。ちなみに、周りから撮ってほしいと言われているのは、ナオミ・キャンベル。ぜひ挑戦してみたいです。


デビッド監督 そうだね。今回はカルダンの映画ということだけで、みなさんが出演してくださったので、本当に興味深い方々とお会いすることができました。でも、そのなかで一番おもしろい題材になりそうなのは、カルダンの世界的コレクターである日本人のマダム・ヨリさんとヨシオ・ハットリさんじゃないかな。


―劇中では日本に関するエピソードも数多く登場しましたが、日本にはどのくらい滞在されていたのですか?


トッド監督 撮影で行ったときが初めての日本でしたが、3~4日しかいられなかったので、また早く訪れたいと考えているところです。


―そのなかでも、日本での思い出といえばなんですか?


デビッド監督 僕たちのプロデューサーがガイドしてくれて、戦後どんなふうに東京が再興したのかといったいろいろな話を聞かせてくれました。改めて興味深い街だと感じています。


トッド監督 あと、LA出身の僕らにとっては、もうアメリカにはないタワーレコードにまた足を踏み入れられたのは最高でしたね! そのとき買ったCDは、B'zとSOLEILというバンド、あとは以前作品のなかで楽曲を使わせてもらったこともあるガールズバンドのThe 5.6.7.8'sです。僕たちは彼らのファンでもあるんですよ。

日本のストリートファッションは最高だと感じた


―日本の音楽にもお詳しいんですね。では、日本のファッションについてはどう感じましたか?


デビッド監督 もっと滞在できていれば、いろいろと見ることができたんだけど、撮影中は朝起きたらすぐに取材場所まで車で行かなければいけなかったので、あまり見て回ることができなくて……。


トッド監督 そうなんです。ピエール・カルダンが入っているデパートやお店ばかりを訪れていたので、日本にいても基本的に見ていたのはピエール・カルダンだけ(笑)。ただ、劇中にも出てきた文化服装学院では、学生のみなさんのファッションを見ることができ、ストリートファッションは最高だなと思いました。


―本作からはファッションの持つ力を改めて感じましたが、おふたりにとってファッションで大事にしていることは?


デビッド監督 ファッションとは、自己表現の手段。自分が誰であるかということを伝えるために使うものだと思います。


トッド監督 それはありますね。あとは、自分の好きなものを表現することで、周りとコミュニケーションを取ることもファッションではできると考えています。


―最後に、ピエール・カルダンさんから学んだことを教えてください。


デビッド監督 彼は本当にインスピレーションを与えてくれる存在で、自分が好きなことをひとつひとつ形にしてきた方だと思います。「心から望むことを追いかけて、いろいろな挑戦をしなさい」と小さい頃から言われていたとしても、実現できる方はそんなに多くはないのが現実。でも、彼はそれを形にしているので、その生き方には刺激を受けました。


トッド監督 彼は98歳になってもいまだに仕事をされていて、すごく生き生きとしていらっしゃいます。そういう姿から学んだことは、「キャリアや語学など、新しいことにチャレンジするのはいくつになってもいいんだ」ということ。彼にインスパイアされたおかげで、僕たちの人生もより“カラフル”なものになったといまは感じています。

常識にとらわれない生き方に胸が熱くなる!


ファッション業界のみならず、時代をも変えてしまった“モード界の革命児”ピエール・カルダン。どんな状況でも、いくつになって、果敢に挑戦することを止めず、自身の夢を実現し続ける姿は、私たちの気持ちもポジティブに変えてくれるはず。いまなお誰にも負けない情熱を内に秘めたカルダンさんから、多くのことを学んでみて!

ファッショナブルな予告編はこちら!


作品情報

『ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン』

10月2日(金)Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開!

配給:アルバトロス・フィルム

©House of Cardin - The Ebersole Hughes Company

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2020年10月01日 19時10分

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