中村倫也「ものすごく妄想してきましたよ」 7役演じ分け&新ドラマ

2020年05月16日 20時30分

エンタメ anan

映画、ドラマ、舞台…。同時期にいくつもの役柄に向き合う役者として、ひとつの作品で複数の人格を演じることも「特別ではない」と話す中村倫也さん。ひょうひょうとした佇まいに潜む、表現へのこだわりに迫った。

多彩な役を演じ分ける中村倫也さん。最新主演映画『水曜日が消えた』では、月曜日から日曜日まで人格が入れ替わる7役を演じ分けたが、自身はことさら大変だったとは思っていないとか。



「“7役”ということが印象に残ると思いますが、たいしたことしてないんです。それぞれの衣装だったり、文字の書き方、趣味といったものを拾い集め、各曜日のキャラクターを考えることはしましたが、『7人演じ分けるぞ』というモチベーションで挑んだわけでもないですし、むしろ、大げさにならないように、観る人が『この人、どこかにいそうだな』と感じられる温度感でやりました」


バンドマンで自由人の“月曜日”や、この物語の軸となる人格で、几帳面で慎重派の“火曜日”…というふうに、性格の違う各曜日のキャラクターは、それぞれご自身と似ている要素があるそう。


「こまめに冷蔵庫を整理したり、朝は余裕を持って起きて、出かけるまでの流れがある程度決まってる点は“火曜日”っぽいですね。でも“月曜日”のように『楽しいね、いいね!』みたいなノリも持ってるし、どの曜日にも、僕の要素はあります。そうじゃないとできないんですよね。ただ、この作品に限らず、役には自分の要素もあるし、そうじゃない面もある。だから、特別近づけようともしません。それはいつも同じです」


詳しくは観てのお楽しみだが、物語の中盤では曜日同士(もちろん演じるのはすべて中村さん)が対峙するシーンも。


「自分の顔を見ながら芝居したのは初めて。『おや、今、俺と喋ってる』って不思議な感覚でした。『マクベス』に鏡を見ながら語る名シーンがありますが、海外作品では何かと鏡越しですよね。青春モノもハリウッド作品だと、たいてい鏡の自分に向かって喋ってるところに誰かが入ってくる(笑)」


この作品の始まりは、吉野耕平監督のたった3行のプロットから始まり、曜日ごとに7人の人格が存在するというユニークな設定に膨らんだ。そこで、中村さんにも空想の翼を広げてもらうと…。


「超能力については、ものすごく妄想してきましたよ。現実的な可能性を熟考した結果、僕の中で残った最強のスペック候補が、瞬間移動、時間を止める、人を操るの3つ。瞬間移動できたら、今すぐ好きなあの子に会いに行けますよね。…あれ? わざとカッコつけたのに、あまりピンときませんか(笑)。時間を止められたらタンクトップで渋谷を歩き、人を操れるなら渋谷の人を全員タンクトップにしちゃう(笑)。でも、操ることは諸刃の剣なんですよね。自分の思い通りにできる半面、真のやり取りを人とできなくなってしまう。そう考えると、思い通りにはいかないから、人生はいいんでしょうね。失敗があるから成功が嬉しいし、タンクトップだってキャミソールがあるから価値がある(笑)」


どんな役も自由自在に表現できる秘密とは。


現在、ドラマ『美食探偵 明智五郎』にも出演中。食にまつわる事件を解決する美食家のイケメン探偵役には、どうアプローチを?


「全然、“イケメン”ということについては考えてないですね。原作では、明智が周りの人を振り回しても嫌われない要素として、容姿端麗であることは大事だと思うんですけど、実写版は僕ですから(笑)。狩野英孝さんなら『俺、イケメン』と言い切っていいでしょうけど、僕は自分をイケメンだと思ってませんし…」


役にアプローチする時、フラットであろうとする姿勢は、このドラマでも変わらない。


「ギアは、常にニュートラルにしておいたほうが、ドライブにもパーキングにも入りやすいじゃないですか。僕は、普段からそういうスタンスで生きてるんです。だから、『水曜日~』の7役という役もいただけたのかなと思います」


『水曜日~』も『美食探偵~』も、現実ではありえない設定。それなのに、ひとたび中村さんが演じれば、世界観にすっと入れるから不思議。その秘密が知りたい!


「表現者としてアピールしないことじゃないですかね。役者の思惑や意図が透けて見えると、途端に嘘くさくなると思うんです。飲み会でも『仕事で失敗しちゃってさ』と言われたら、『慰めてほしいのかな』って、言葉からその人の思惑がにじみ出て感じ取れてしまうことってありますよね。それと同じで、役者は台本からその台詞で何を伝えたいのかを読み取るけど、芝居から“この役者がどうしたいのか”が見えてはいけないと思ってます。僕は、どんな人物を演じる時にも、見た人に“この人、日常のどこかにいそう”と感じてもらいたいんですよね」


TOMOYA NAKAMURA 1986年12月24日生まれ。東京都出身。映画『水曜日が消えた』は5/15に全国公開予定。現在、主演ドラマ『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系、毎週日曜22時30分~)が放送中。映画『騙し絵の牙』など、公開待機作も多数。


ニット¥30,000 パンツ ¥33,000(共にName. TEL:03・6416・4860) その他はスタイリスト私物


『anan』2020年5月20日号より。写真・伊藤香織(The VOICE) スタイリスト・戸倉祥仁(holy.) ヘア&メイク・松田 凌(Y’s C) 取材、文・小泉咲子


(by anan編集部)


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2020年05月16日 20時30分

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