在宅ワーカー歴8年! tofubeatsが教える「テレワーク」のコツ

2020年04月22日 19時40分

エンタメ anan

インターネットやSNSは日常のツールという世代の申し子のように10代からトラックメーカーとして活動してきたtofubeatsさん。アルバムをリリースするたびに新しい扉を開き、ダンスミュージックの楽しさを示してくれるアーティストだ。新作『TBEP』の制作秘話とともに、彼のプライベートライフにグッと迫ってみた。

――『TBEP』は、シンプルこのうえないネーミングですね。


これは気合が入ったアルバムです! という感じではなく、DJでも使える曲や、みなさんが家でも楽しめる曲というしばりで、BPMも120~130の間と、テンポも決めてやってみようと気軽な気持ちで作りました。


――前作『RUN』はゲストボーカルなしで自ら歌っているのが印象的でしたが今回も、ですね。


前作はシンガーソングライターとしての自覚が芽生えたアルバムでしたね。それ以前はゲストボーカルの方にお願いしていたけど、曲を作る技術が向上してきたというか、歌詞も言いたいことの輪郭やメッセージがはっきりしてきたので、他の方が歌うと、矛盾が出てくる気がして。それで自分で歌うようになっていきました。


――昨年はボーカリストとして、竹内まりやの名曲「Plastic Love」をカバーしてビックリ。あの曲は海外でリバイバルというか、再評価されています。


僕のカバーとは関係なく(笑)。そんな海外の反響を受けて日本側からリアクションしようと、僕が歌うことになったんです。海外の友達からは山下達郎さんや細野晴臣さんの作品を聴きたいと言われるし、最近ではさらに突っ込んで「角松敏生のアルバムはないか」とか。日本の’80年代シティポップスの注目度はいますごいですよ。


tofubeats的働き方改革とは。



――新作1曲目の「陰謀論」はタイトルにギョッとしたけど、内容はクラブのことで、ニヤリ。


何も考えてない曲のときは、意味深なタイトルを付けがち(笑)。僕自身、クラブには昔から相当通っていて、踊ったりDJやったり両方楽しんでいたので、クラブの楽しさも共有できる曲を作れたらいいなと思って書きました。


――配信シングルの「SOMEBODY TORE MY P」がインスト曲、というのも意外なセレクトでした。


あの曲は実は自分にしては珍しい作り方をした曲なんです。国立近代美術館で国吉康雄という画家の「誰かが私のポスターを破った」という油絵を鑑賞し、タイトルも絵もめちゃカッコいい! と触発されて出来上がったんです。


――ええ!? 一枚の絵からあの曲が生まれたんですか。


他の絵が目的で行ったのに、後から見た「誰かが私のポスターを破った」があまりにも衝撃的すぎて。その後、国吉さんの画集を買ったり、本を読んだりしながらイメージを膨らませていきました。日本から移民としてアメリカに渡り、戦時中は冷遇された時代背景までくっきりと出ている作品に心から感動したんですよね。


――他にはどんな刺激や衝撃から曲が生まれるんでしょうか。


漫然と生きてても、何も生まれないですからね。やばい、曲ができない! という状況のときには、やっぱり美術館に行くことが多いかな。神戸ではよく「横尾忠則現代美術館」に行っていました。


――助けを求めて。


そう。僕が美術館をフラフラしてるときは、曲ができてないというときなので、見かけたら優しくしてくださいね(笑)。


――そういえば、最近、東京に引っ越されたそうですが。


はい。まぁここ5年ぐらいは、ひと月のうち1週間は東京に滞在していたので、ちょっとずつ慣らしていった感じですね。いまだ慣れないのは、人が多いことと、物価が高いことぐらいかな。体が関西の価格に順応しきっていたので。でも、家と仕事場を完全に分けたので、仕事しやすくなりました。


――では、通勤しているんですか。


徒歩通勤ですけどね。毎朝、NHKの朝ドラを見てから家を出て、9時から19時ぐらいまで仕事してます。自宅にはパソコンは持ち込まないし、スピーカーもブルートゥースのちっちゃいやつだけ。家では真面目に音楽を聴かないようにしています。


――どうしてですか?


大学を出てから就職をしないで、ずっとこの仕事をしているので、家で働くということがどういうことか、身をもって分かっています。いまテレワーク中の方にも参考になると思いますが、僕のようなソーホー(在宅)ワーカーには“退路を断つ”ことが最も大事なんですよ。もともと神戸の仕事場には、ふたり掛けのソファを置いていましたが、そこで寝てしまうので、ひとり掛けに変えました。寝ないで自分を働かせる環境じゃないとダメだと。人間工学に従ってというか、強制的に労働させる条件を作ったんです。東京の仕事場もデスクしか置いてないので、仕事のみに集中できるし、もし眠くなったら床で寝るしかない(笑)。その代わり、自宅ではくつろげるように、音楽のことは考えない環境に。


――働き方改革、すごい! 仕事内容は、毎朝決めるんですか?


これは昔からなんですけど、一日の最後に明日やるべきことを全部書き出してから帰るんです。それを毎日やるので、たとえその日に全部終わらなくても、また翌日の予定に繰り越す。そうやって自分を管理する、みたいな。


――それは子どものころから?


いや、この仕事一本になったときに、“自動的に人はサボる”ということを発見して、いまはこのやり方で落ち着いています。あと、体調が悪くなったりすると、音の聞こえ方のバランスが悪くなったり、違って聞こえたりするんですよ。夜中まで働くと、耳がおかしくなるので、意識的に午前中から動くようにしています。週末はDJの仕事で夜中まで働くこともあるんですけど、それでも月曜日は元通りに働く感じです。


――作品が生まれる背景には、そんなストイックなライフスタイルがあったんですね。驚きました。


はい。8年かけて、このスタイルを構築しました(笑)。


――でも、ご自分の作品制作以外に、他のアーティストからMIXを依頼されたり、CMの仕事とか締め切りも厳しいのでは?


僕はめちゃくちゃ締め切り守ります。ですよね?(と、担当者に確認) でも、セカンドアルバムの『POSITIVE』を作っていたころまでは締め切りを飛ばしまくっていて、どうしてできないんだろうと自己嫌悪を感じていましたけど、周りのスタッフに「ポジティブになりなよ」と励まされて、それがアルバムタイトルになったり(笑)。そんな時代を経て、“人に迷惑をかけるな”というルールを守ってきました。締め切りって約束だし、約束は絶対破ってはいけない。


トーフビーツ 1990年生まれ、兵庫県出身。学生時代からインターネット上で音楽制作活動を行い、2013年『Don’t Stop The Music』でメジャーデビュー。森高千里、藤井隆らをゲストに迎えて楽曲を制作、またSMAP、平井堅、Crystal Kayのリミックス、ゆずのサウンドプロデュースに加え、CM音楽など、活動は多岐にわたっている。


4thアルバム『RUN』から1年半ぶり、7曲入りミニアルバム『TBEP』をリリース。前作同様ゲストアーティストを入れない、セルフメイド作品。トラックメーカー、シンガーソングライターとしても新たな進化を遂げた。最新情報は、公式Twitter(@tofubeats)をチェック。


※『anan』2020年4月29日号より。写真・大嶋千尋 インタビュー、文・北條尚子


(by anan編集部)


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