綾野剛「なぜ松田龍平を好きなのかがわかった」現場で感じた理由

2020年02月13日 19時10分

エンタメ anan

米アカデミー賞の発表で映画界が盛り上がりを見せるなか、今週末も邦画、洋画ともに話題作が続々と公開されますが、そのなかでも注目を集めているのが芥川賞受賞作を豪華キャストによって映画化した『影裏』。今回は、主演を務めたこちらの方々に、お話をうかがってきました。

写真・大嶋千尋(綾野剛、松田龍平)


松田龍平さん&綾野剛さん!


【映画、ときどき私】 vol. 292


本格的な共演としては、今回が初めてとなる綾野さんと松田さん。劇中では、転勤で岩手の盛岡にひとりで移り住んだサラリーマンの今野秋一を綾野さん、そして慣れない土地で今野が心を許す同僚の日浅典博を松田さんが演じています。そこで、現場で感じたお互いの印象や自身にとって大切な出会いなどについて、語っていただきました。


―まずは、最初にオファーをもらったときのお気持ちはいかがでしたか?


綾野さん 監督が大友啓史監督で、共演が龍平だと聞いていたので、それだけで受けようと決めました。


―実際にできあがった作品については、どのような印象を受けたのか教えてください。


綾野さん 人の想像のほうがはるかに生々しいので、映画になったからといって生っぽくなったというわけではありませんが、原作や原作者の沼田真佑さんに対する大友監督の敬意を感じることができる作品ができあがったと思いました。


松田さん 今回、今野と日浅の関係性は原作とはだいぶ変わっているので、沼田さんがどう思うかなと気になっていたのですが、「おもしろかったです」とおっしゃってくださいました。繊細で感覚的な部分で思い切ったところもありましたが、そのお言葉を聞けてよかったです。


綾野さん 本当に、沼田さんは柔軟な方だよね。

龍平はオンリーワンの存在だと感じた


―がっつりと共演したのは今回が初とのことですが、綾野さんから見た松田さんの印象を教えてください。


綾野さん 龍平はクールな感じに見えますけど、実際はすごくかわいくて、チャーミングな人。それは彼特有の無駄のなさというか、忖度しない姿勢にも表れていますが、もともと僕は彼のそういうところが好きなんです。というのも、僕自身はわりと無駄が多くて、サービスしがちなタイプなので、それに比べると龍平はイイ男だなと思いますね。


「俳優はいい環境で仕事をするべきだ」という考えもきちんと持っていますし、彼にしかできない表現を目の前で見せていただいたので、なぜ僕が松田龍平という人を好きなのかがよくわかりました。本当に、オンリーワンだなと。お芝居のなかでも、感覚だけではなく、ちゃんと自分が理解したうえで演じているという印象も受けました。


―劇中では、日浅の「人を見るときは影の一番濃いところを見るんだよ」というセリフが印象的でしたが、現場で松田さんの新たな一面や裏の顔を発見したこともありましたか?


綾野さん そもそも裏が悪くて、表が正しいというわけではないですが、以前からプライベートで会っていたこともあり、普段の龍平を知っていますから。


とはいえ、熱意を持っている人だという本質的な部分を先に知っていたからこそ、映画で共演するときには緊張しました。でも、本当にかわいい人なんですよね。ちなみに、僕のこともかわいいと言ってくれています(笑)。

芝居のなかで気持ちのいい瞬間は何度もあった


―そうなんですね。では、松田さんから見た綾野さんの魅力を教えてください。


松田さん 僕もかわいいと思ってますよ。


―(笑)。綾野さんのことをかわいいと思った出来事が何かあったのでしょうか。


松田さん あるんですけど、かわいすぎて言うのはもったいないですね……。


綾野さん かわいすぎるエピソードなんてあるの?


松田さん うん、かわいすぎて言えないかな(笑)。


綾野さん (笑)。


―どんなエピソードか非常に気になりますが、綾野さんから刺激を受けた瞬間はありましたか?


松田さん かっちりとしたお芝居をしている印象がありましたが、今回は現場で起きるものを感覚でちゃんと受けてからお芝居するタイプなんだなと感じました。カットがかかると、すぐにいつもの綾野くんに戻れる。僕から見るとその切り替えがすさまじかったです。


今回は、綾野くんと2人のシーンがほとんどだったので、綾野くんに応えるように演じることができればと。芝居のなかで気持ちのいい瞬間は何度もありました。

現場で受けた印象を素直に表現したかった


―なるほど。松田さんはご自身の役を演じるうえで、意識したことはどんなことでしょうか?


松田さん 今回は自分のなかで日浅や周りのことについて、いろいろとイメージして現場に入りました。ただ、日浅というキャラクターは、人から語られる部分が多いので、なかなか本質が見抜けないような人物。だからこそ、どう見られているかということは意識しましたが、考えるほどにいろいろな情報がありすぎて、悩みましたね。


たとえば、自分ではそう思っていなくても、他人の噂や会話に翻弄されることは誰にでもありますが、それに近い感覚になったことで、どう演じていいかわからなくなってしまったりもしましたね。


―その状況は、どのようにして乗り越えましたか?


松田さん 現場に持ち込んだものをいかに捨ててシンプルになるか、そしていかに純粋な喜びを感じられるかを考えました。現場で受けた印象を素直に表現したいという気持ちで挑んでいたと思います。


撮影中は釣りのシーンなどで自然のなかに行くことが多かったので、街の雑踏を忘れて自然のなかで心を洗おうと思っていましたが、実際は川や虫の音が気になってしまって……(笑)。太陽に当たり過ぎて熱中症みたいになってしまったこともありましたよ(笑)。


そんなふうに自然の脅威にやられてしまいましたが、自分自身が情報過多の状態だと、どこに行っても結局は同じことなんだと知りました。だからこそ、より自然でいようと心がけましたが、その意識は誰に対してもフラットな日浅という人物像にもつながったと思っています。

映画は本当におもしろいもの


―本作では、今野が日浅と出会うことによって、変化していく様子も描かれていますが、これまでで自分を変えてくれた出会いとは?


松田さん やっぱり映画ですね。役者というのは、ひとりでできる仕事ではないので、いろいろな人とたくさん関わり合いながらひとつの作品を作りますが、それを20年以上続けてこられたことは大きいと思っています。


もちろんその過程で、架け橋となってくれた人もいますが、映画自体や作品に救われてきたと感じているところです。結局のところ、僕はそんなに器用に演じられる役者ではないのかもしれないですが、いっぽうでは役者しかできないという感覚に陥ることもあります。


ただ、それでもいいんだと思える役と出会うことが多いので、僕は恵まれているなと。本当に、映画はおもしろいですね。


綾野さん 僕も同じですね。デビューは『仮面ライダー555』でしたが、そのときに石田秀範監督から言われたのは、「君は映画が合っていると思うから、大きいスクリーンに合ったサイズの表現のままでいいよ」ということ。


当時は、あまり意味がわかっていませんでしたが、観客にちゃんとセリフを届けて、その人物として生きようとしていればいいのではないか、と思うようになりました。


僕の場合は、その環境のなかでどこまで自分を追い込むことができるのか、ということに挑んでいるところもあります。それは僕が陸上のアスリートだったからかもしれません。


ただ、そんなふうに挑戦することや自分の進化を常に問われている感覚を僕から奪わなかったのは、映画であり、役者であることだけだった気がしています。あとは、自分ひとりでいるわけではないというのも大きいですね。

すぐにでもまた一緒にタッグを組みたい


―それは本作の現場でも同じように感じていたことですか?


綾野さん 今回でいうと、今野が存在したのは日浅がいたからこそであり、幸せなことだったと思いますが、同じように僕も龍平からはものすごく影響を受けました。現場では大変なこともありましたが、本当に楽しかったです。


龍平は自分のことを恵まれていると言っていましたが、それは彼がちゃんと鍛錬して作品に向き合ってきた証拠でもあるので、そういう彼とタッグを組んでひとつの作品に取り組めたことは、緊張すると同時にワクワクする経験でもありました。


「ようやくこの2人が共演してくれた」とか「この2人がそろったら何か起こしてくれるかも」と喜んでくれる人もいると思っているので、すぐにでもまた一緒に作品を作りたいです。


インタビューを終えてみて……。


信頼感が漂う綾野さんと松田さん。お互いにかわいいと言い合う仲の良さだけでなく、俳優としてお互いにリスペクトし合っている様子が伝わってきました。今後、新たな共演作が誕生するのも楽しみにしたいと思います。

心の奥に秘めた感情を刺激される!

ミステリアスな展開に引き込まれながら、誰もが持つ光と影を映し出したヒューマンドラマ。裏に潜む葛藤や真実と向き合ったとき、再生への道を歩む主人公の姿に新たな光を感じ、心を揺さぶられるはずです。

ストーリー


転勤で盛岡に移り住んだ今野が出会ったのは、同じ会社に勤める日浅。2人は遅れてきた青春を取り戻すかのように、一緒の時間を過ごしていた。いつしか、今野にとって日浅は慣れない土地で唯一心を許せる存在となる。


ところがある日、日浅が突然姿を消してしまう。ショックを隠せずにいた今野は、日浅の行方を探し始めるが、そこで見えてきたのは、これまで自分が見てきた彼とはまったく違う顔だった。あの男の“真実”とは……。

胸がざわつく予告編はこちら!

作品情報

『影裏』

2月14日(金)より、全国ロードショー!

配給:ソニー・ミュージックエンターテインメント

配給協力:アニプレックス

©2020「影裏」製作委員会

anan

2020年02月13日 19時10分

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