三島有紀子「心から愛せる人や仕事に出会った時に...」

2020年01月14日 20時00分

お仕事 エンタメ anan

さまざまな角度から現代に生きる人々の姿を時に温かく、時々ヒリヒリと描き出す三島監督。最新作は、島本理生の同名小説を映像化した『Red』。主人公・村主塔子は商社勤務の夫・真と幼い娘の翠、真の両親と共に瀟洒な家で不自由なく、しかし夫や姑に気を遣いながら暮らしている。そんな折、かつての恋人・鞍田秋彦と再会。鞍田の勤務する会社に職を得た塔子は、働く喜びに目覚めると同時に、鞍田への思いを再燃させる。だが、鞍田にはある秘密があって…。現代女性の悩みを盛り込みつつ、一人の女性が自分の意思で人生を選択していく姿を描く。

心から愛せるものを見つけた時、人は何を捨て、何を選ぶのか。



日頃から社会の雰囲気やニュースを見るなか、ひとつ感じていたのが、自分の中に尺度を持てない人が増えていること。自分がどう感じたか、考えるより先にネットで世間の意見を調べて、それから自分はどうかを考える、というのが一般的になっている気がしていました。


それとは別に、いつかロマンスを中心に据えた映画を撮らないといけないと感じていたんです。恋愛は、相手を知ると同時に、自分を知る作業にもなる究極のコミュニケーションだから。その話をしたプロデューサーの荒川優美さんから、島本理生さんの小説『Red』を教えてもらい、読んでこれはイプセンの『人形の家』の現代版だと思いました。周囲に合わせていた一人の女性が、自分の中に尺度を持ち始める物語で、日頃から自分が考えていたこととリンクしました。夏帆さんは前にご一緒してお芝居の力は知っていましたし、もっといろんな彼女を見せたかった。鞍田役は、人の人生を変えるほどの男ということで、妻夫木(聡)さんの演技力が必要だと思いました。


私の場合、恋人を演じる二人には撮影前に時間を作ります。撮影前に、手を握ったりハグをしてもらったりもしますね。身体的接触があると距離感が全然違うんです。今回は妻夫木さんのアイデアで一緒に料理を作ったりしながら二人で過ごしてもらいました。


塔子の母親の「どれだけ惚れて死んでいけるかじゃないの」という台詞は、私が先輩に言われた言葉です。心から愛せる人や仕事に出会った時に、何をどう選択するかは私も大事にしたいと思っています。昔なら人生ゲームのゴールは大金持ちになるとか結婚するなど分かりやすかった。でも今は、何をゴールにするか自分で決めるしかない。ロマンスも人生のすべてではなく、重要なひとつ。恋愛映画も、これまではお互いがお互いを見つめているものが多かったけれど、これからは、その先の「お互いが一緒に何を見たいのか」にスライドしていくんじゃないか。それを意識して作りました。


名作映画が多くあるなかで、自分が撮る意味はあるのかと考えると、この時代に生きていることが一番の強みかなと思います。今の人が感じていることを、作品の形にして発信していきたいですね。


恋愛にはその人の生き方が透けてくる。



撮影は大雪の新潟の場面からスタートしたという。悪天候のために出張先から帰れなくなった塔子。そのことを電話で伝えた時、怒った真の口から飛び出した言葉とは…。



原作では鞍田はIT企業勤務だが、映画では建築家に変更。10年前、彼の建築設計事務所でアルバイトしていた頃に塔子が描いた家のデザインが、物語の大切な要素に。



間宮祥太朗さん演じる塔子の夫・真は裕福な家庭に育ち、一流商社に勤めるハイスペック男。性格が悪いわけではないけれど、妻に対しては無神経な言動も少なくない。©2020「Red」製作委員会


三島有紀子監督 1969年生まれ、大阪府出身。NHKでドキュメンタリー作品を企画・監督していたが、劇映画を撮るために退局。再婚者同士の家庭の苦悩を描く『幼な子われらに生まれ』で第41回モントリオール世界映画祭審査員特別大賞、第42回報知映画賞監督賞、第41回山路ふみ子映画賞を受賞。他の作品に、オリジナル脚本の『しあわせのパン』『ぶどうのなみだ』や、『繕い裁つ人』『少女』『ビブリア古書堂の事件手帖』など。今作『Red』は2月21日より公開。


※『anan』2020年1月15日号より。写真・野呂知功(TRIVAL) ヘア&メイク・市橋由莉香 インタビュー、文・瀧井朝世


(by anan編集部)


anan

2020年01月14日 20時00分

お仕事 エンタメ anan

BIGLOBE Beauty公式SNSはこちら!

あなたへのおすすめ

最新記事はここでチェック!

タグ一覧

ヘアアレンジ スタイリング 時短アレンジ術 簡単アレンジ術 前髪 人気ヘアカラー まとめ髪 ショートヘア ボブ ミディアムヘア ロングヘア ストレートヘア パーマヘア ポニーテール お団子ヘア ヘアアイロン活用 ヘアケア 髪のお悩み 流行ヘア モテヘア カジュアルヘア ガーリーヘア オフィスヘア ヘアアクセサリー バレッタ ターバン ヘアピン・ヘアゴム 小顔ヘア セルフネイル ジェルネイル 上品ネイル ピンクネイル カジュアルコーデ シンプルコーデ ナチュラルコーデ プチプラコーデ フェミニンコーデ コンサバコーデ ガーリーコーデ モテコーデ ベーシック ゆったりコーデ ママコーデ ストリートコーデ モードコーデ ギャル 結婚式コーデ ミリタリー モノトーンコーデ カラーコーデ スポーツMIXコーデ パーティスタイル ヘビロテ 着回し抜群 トップス アウター カーディガン シャツ ワンピース ビスチェ パーカー フーディー コート トレンチコート カラージャケット スカート フレアスカート タイトスカート ミニスカート デニムスカート 台形スカート ガウチョパンツ ワイドパンツ ワイドデニム スキニーパンツ バギーパンツ 靴下 タイツ スニーカー サンダル ミュール ニューバランス ブーツ ショートブーツ パンプス 帽子 ニット帽 ベレー帽 スカーフ グッズ メガネ 手袋 ベルト 腕時計 ピアス トレンドアイテム バッグ ファーバッグ クラッチバッグ リュック ショルダーバッグ チェック柄 グレンチェック フリンジ 刺繍 ファー ロゴもの コーデュロイ デニム 色気のある格好 花柄 マスタードカラー ボーダー柄 レイヤード パンツスタイル ドレススタイル ニット スウェット anan表紙 雑誌付録 ユニクロ GU しまむら ZARA メイク術 スキンケア 化粧水 美白ケア 眉毛ケア コンシーラー ファンデーション マスカラ アイシャドウ リップ 乾燥対策 バストケア ヒップアップ マッサージ エクササイズ ダイエット ヨガ 動画レシピ サラダ カフェ巡り スタバ ひとり旅 女子旅 パワースポット巡り 人気スポット 絶景スポット 絶品 お弁当 スイーツ パン 占い 心理テスト 結婚 浮気・不倫 モテテクニック スピリチュアル 恋愛お悩み 男性心理 デート 恋愛テクニック ドン引き行動 エッチ LINE体験談 ホンネ告白 胸キュン 片思い カップル話 婚活 倦怠期 ファッション恋愛術 プチプラ おしゃれマナー マネー お仕事 家事・育児 趣味 アプリ 癒し 大人女子 金運 ミュージック アニメ・漫画 アウトドア 清潔感 インスタ映え イメチェン パンチョとガバチョ

本サイトのニュースの見出しおよび記事内容、およびリンク先の記事内容は、 各記事提供社からの情報に基づくものでビッグローブの見解を表すものではありません。
ビッグローブは、本サイトの記事を含む内容についてその正確性を含め一切保証するものではありません。 本サイトのデータおよび記載内容のご利用は、全てお客様の責任において行ってください。
ビッグローブは、本サイトの記事を含む内容によってお客様やその他の第三者に生じた損害その他不利益については一切責任を負いません。