本名の“笹森さん”が行き詰まり...バービーが夢中になる“橋渡し”とは?

2020年01月08日 20時00分

エンタメ anan

女性芸人の層が厚い昨今、芸はもちろん、パーソナリティや個性が際立つ時代になってきました。そんな中で、他とは違う、ちょっと異色の光を放っているのが、バービーさん。笑いの向こうにある素顔は、いったいどんな人? ということで、会いに行ってきました!

――バービーさんは、いわゆる女性芸人として活躍しつつ、ふるさと北海道の町おこしを手伝っていたり、さらには心理学やジェンダー論などにご興味があったり。いろんな顔をお持ちですよね。


最近やっと、“お笑いのバービー”と、“本名の笹森花菜”、2つの自分がいることをハッキリ言えるようになったんですよ。ずっと、芸人として仕事をしている以上、お笑い以外に興味を持っている自分を出しちゃいけないんじゃないかと思っていたんですけど…。


――そう思えたきっかけは?


2年前、33歳くらいのときだったと思うんですが、もう我慢しないで、やりたいこと全部やっちゃおうって思った瞬間があって。


――その当時、仕事で行き詰まっていたりされたんですか?


う~ん…。仕事はとても充実していました。でもだからこそ本名の“笹森花菜”のほうが、「もっと私を大事にして!」と言い出しまして(笑)。確かに考えてみると、最初の5年くらいはただただ必死に仕事だけをしてきて、少し余裕が出たあとは、ストレス発散といえば、夜の街に飲みに行くくらいで。もちろんいろんな楽しいことにトライはしていましたが、ほとんどすべてが“芸人バービー”の表現のためだったんですよね。今思うと、“笹森さん”はすごく行き詰まってたんだと思います。そこで、“バービー”であるために我慢していた、“笹森さんがやりたいこと”を、もう全部やっちゃおうと思って、はじめて1週間のお休みをもらいました。


――“笹森さん”のために、まず何をしようと思いました?


なんて言えばいいのかな、利害関係のない、ワクワクすることをしようって思いました。当時の私はたぶん“これ、仕事に繋がる?”みたいな考えに支配されていたので、まずそれをやめようと。一度バービーを捨てて、何をしたら笹森さんはワクワクするのか、それを自分の中で因数分解していって、出てきたのが利害関係なく、何かの、誰かの役に立ちたい、という答えだったんです。それでロンドンで開催される「チェルシー・フラワー・ショー」という園芸の祭典に、ボランティアでお手伝いに行きました。そこでの経験を通して、私は、何かを橋渡しすることに快感を感じるのかもってことに、ちょっと気が付きまして…。


――橋渡し、とは?


例えば、こっちで何かが余って困っているとして、別の場所ではそれが不足して困っている。そういう状況を橋渡ししたい。需要と供給が繋がることにワクワクするし、成功するととても気持ちいいんです。田舎と都会、国内と海外、消費者と企業…、いろんな橋渡しがしたいんですよ。


――そもそもバービーさんが橋渡しにワクワクする理由、あるいは根源って、何なんでしょう…?


一つには、家族の中でのポジショニングかもしれません。私は4人きょうだいの末っ子で、結構クールだったんです。ちょっと家の中が険悪になると、「ギスギスしてんな、よし、私の出番か」みたいに、冷静に家族間の潤滑油役を買って出る、みたいな。その頃から困っている人がいると“なんとかしなきゃ!”みたいな気持ちがあったのかなぁ…。あと、私、大学で仏教哲学を学んでいるんですが、それが自分の考えのベースになっているところがあって。例えば般若心経などに出てくる“色即是空”という言葉があるんですが、それって“自分で見た世界は、自分にとっては存在するわけだから、その世界を他者からとやかく言われようと、関係ない。自分の好きにやればいい”というような概念だと私は解釈していて。つまり、人にはみな、その人なりの宇宙が平等にあり、一人一人がその宇宙を全うするべき、と思ってるんです。でも世の中にはいろんな足かせや邪魔があり、その宇宙を全うできていない人がいる。私にとってそれが“困ってる人”で、その足かせを一緒にどけることができたら…という気持ちが、“橋渡し”に繋がるという感じでしょうか。


――出身地の夕張郡栗山町の町おこしに協力されているのも、その気持ちから、という感じですか?


まさにそうですね。あと最近、下着のプロジェクトがやっと形になりまして。



――ピーチ・ジョンとコラボで下着を作ったという企画ですね。


もともと、私自身胸が大きいので、リーズナブルな可愛いブラがないことにはずっと悩んでいて。他にも、ワイヤーがキツくてかぶれるとか、海外のブラだとサイズはあるけれど脇肉ケアがいまいちだとか、下着に関しては思うことがたくさんあったんです。で、まったく別の、町おこし関連のミーティングでお目にかかった方に、なぜか「私、ずっと下着を作りたくて…」ってポロッと言っちゃったら、「それいい!」と盛り上がりまして。そこから紆余曲折ありましたが、最終的にピーチ・ジョンさんとご縁があり、やっと形になりました。


――具体的に、どんなランジェリーなんですか?


胸の大きさにかかわらず、同じように可愛い下着があったらいいのになっていうのが、最初の出発点。実際私のインスタのDMに、下着や体の悩みを書いてくれる人が結構いて、「既製品に自分のサイズがないから、私の体は普通じゃないんだって思う」なんてメッセージをもらったことも。“下着で困っている人”と“企業”の橋渡しをすることで、そんな思いをする人が一人でも減ってくれたら、本当に嬉しい。おっぱいってジェンダーの象徴的なパーツで、他者から評価されやすいうえコンプレックスを持ちやすい箇所。だけど、自分の体は自分のものなんだし、自分で好きにしていいじゃないですか。私がギャグでお尻を出したりするのは、それなんですよ。


――バービーさんの世の中へのコミットの仕方は、しなやかで、ユーモアがありますよね。


別に世の中と戦っていこう、みたいな気持ちがあるわけじゃないんです。男も女も、不平等で理不尽な目に遭っている人の手助けがしたい、それだけなんですよ。


バービー 1984年生まれ、北海道出身。お笑いコンビ「フォーリンラブ」メンバー。本名・笹森花菜。東洋大学インド哲学科卒業後、お笑い養成所の放送作家コースに入所したが、事務所の勧めで芸人コースに。’07年にハジメとフォーリンラブを結成。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)、『バービー・郡司の深夜教室Q組』(MBSラジオ)などに出演中。


なんと構想2年以上! 自らの下着に関する体験と、SNSを通じて寄せられたフォロワーの悩みを商品に反映したランジェリーを、3シリーズ展開。ブラはアンダー90、Gカップなどのグラマーサイズを、ショーツは全5サイズを展開する。2月5日より全国のピーチ・ジョンストアと公式オンラインストアにて発売。


※『anan』2020年1月15日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・谷口夏生(ラッキースター) インタビュー、文・河野友紀


(by anan編集部)


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2020年01月08日 20時00分

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