どん底の生活苦から...貧困男子、出会いが生んだ奇跡の復活劇

2019年09月26日 20時50分

エンタメ anan

たったひとつの出会いが人の運命を大きく変えることは、誰の人生にも起こりうること。そんな奇跡のような瞬間を目撃できる感動作『パリに見出されたピアニスト』がいよいよ公開を迎えます。そこで、本作によって“運命の出会い”を果たしたこちらのおふたりにお話をうかがってきました。

写真・大内香織(ルドヴィク・バーナード、ジュール・ベンシェトリ)


ルドヴィク・バーナード監督&ジュール・ベンシェトリ


【映画、ときどき私】 vol. 261


本作を手掛けたのは、リュック・ベッソンやギョーム・カネの下で助監督を務め、着実にキャリアを積んできた俊英ルドヴィク・バーナード監督(写真・左)。そして、主演に抜擢されたのは、フランスの名優ジャン=ルイ・トランティニャンを祖父に持ち、父は映画監督で俳優のサミュエル・ベンシェトリ、母は女優の故マリー・トランティニャンという俳優になるべくしてなった新鋭ジュール・ベンシェトリさん(写真・右)です。


劇中では、ピアノの才能がありながらも生い立ちが原因で夢を諦めていた青年マチューを熱演しています。今回は、フランス映画界も注目するおふたりに、音楽への思いや自身を支えてくれている原動力などについて、語っていただきました。

―本作は、監督が実際に駅でピアノを弾く青年を見かけたことがきっかけということですが、もともとクラシック音楽やピアノを題材にした映画を考えていたのか、それともその青年との出会いが始まりですか?


監督 以前から、クラシック音楽を題材にした映画を作りたいという思いはありました。ただ、それをどういう切り口で描けばいいかと悩んでいたこともあり、なかなか脚本にできずにいたんです。


ところがある日、駅に置かれているピアノでショパンのワルツを弾いているクラシックとは無縁そうな青年の演奏を偶然聞き、強い感動を覚えました。そのときに、「実はこの青年はピアノのレッスンを受けるお金もなければ、ピアノも持っていないかもしれない」と想像するようになり、そこからこの作品の出発点を見つけることができたのです。


―クラシック音楽の素晴らしさはどんなところだと思いますか?


監督 僕が思うクラシック音楽の持っている力というのは、感情を呼び起こす力のこと。つまり、ただ力強いという意味での“力”ではなく、ひとつの音符が人を感動させたり、感情を喚起させたりする力があるということです。


たとえば、全く知らない人間がひとつのコンサートホールに1万人いるとして、同じ音符で同じように喜びや悲しみを感じることができるというのは、音楽の持つすごさだと思っています。

音符に込められた感情も表現する必要があった


―では、ジュールさんが最初に脚本を読んだときは、どのような印象を受けたのか教えてください。


ジュールさん まずはこの物語にとても感動しました。しかも、それぞれのシーンを頭の中で想像することができるくらい的確な脚本だったので、その瞬間からマチューに感情移入してしまったほどです。彼が悲しいときには同じように悲しくなっていたし、怒っているときは同じように怒っていました。


―劇中ではジュールさんの存在感が際立っていましたし、繊細な表情も見事に表現されていました。そのなかでも、主演としてのプレッシャーはありましたか?


ジュールさん やはりプレッシャーはすごく大きかったと思います。ただ、そのプレッシャーというのは、主演を務めるということよりも、信ぴょう性のあるミュージシャンを演じなければいけないという音楽的な部分が大きかったですね。


―ということは、役作りではピアノの演奏が一番の課題だったのでしょうか?


ジュールさん そうですね。とはいえ、ただピアノを弾くだけでなくて、それぞれの音符に込められている感情を自分自身も実感することが僕にとっては挑戦でした。

―共演者のみなさんは、ジュールさんのことを「優しいけど内に情熱を秘めている青年」と話しており、マチューと重なるところがありますが、監督から見たジュールさんの魅力を教えてください。


監督 まさにその通りで、僕から見てもジュールはマチューそのものでした。オーディションではたくさんの人と会いましたが、そのなかでもジュールと初めて会ったときは「彼がマチューだ!」と思ったくらいです。彼の魅力は、そんなふうに優しさと粗野なところが共存しているところなんじゃないかな。


―監督はじめ、先輩方から評価されることを自分ではどう感じていますか?


ジュールさん 先輩たちから自分のなかに優しさと激しさがあると言ってもらえたのであれば、これからの役作りにもうまく役立てていきたいと思っています。

人生において影響を与えた人とは?


―マチューは2人の先生によって人生が導かれていきますが、おふたりも映画監督と俳優という道を進むうえで、大きな影響を受けた人はいますか?


監督 おそらくどんな人にも人生のなかで橋渡しをしてくれるような師匠みたいな人はいると思います。それが人の場合もあれば、単なる情報や教養の場合もあるとかもしれないですが、僕にとってはまず映画そのものです。


あとは、一緒に仕事をしていたリュック・ベッソン監督やジャン=ジャック・アノー監督といった巨匠たちも僕を導いてくれたと感じています。


―ちなみに、映画監督を目指したのはいくつのときですか?


監督 14歳くらいのときから映画の世界で働きたいと思うようになり、そこからは映画以外のことは何もしてきませんでした。それくらい僕は一途なんですよ(笑)。なので、この職業に就くことができて、とてもラッキーだと思っています。

―ジュールさんにも影響を与えている人がいれば教えてください。


ジュールさん 僕は映画においての師匠はいませんが、人生という意味では、父親から教わったことが多いですね。この作品では、バーナード監督からたくさんのことを学びました。あとは、映画をよく観るので、そこで素晴らしい演技をする俳優から得るものは多いと思います。


―ちなみに、お父さんからはどのような精神を受け継いだと感じていますか?


ジュールさん まずは、すごく良い教育としつけをしてくれたことに感謝しています。厳しいところもありましたが、それによって僕は正しい生き方を学ぶことができましたし、おかげでしっかりと自分を持ち、周りに流されないような考え方が身に着きました。


あとは、他人に対して寛容であること、そして人に何かを与えることの大切さも伝えてもらったと思います。

日常生活ではすべて直感に従って行動している


―ジュールさんは家族の理解を得られないマチューとは正反対で、ご家族が映画監督や俳優という環境ですが、それゆえの葛藤を感じたこともありましたか?


ジュールさん 確かにマチューの家庭環境よりは僕のほうが豊かではありましたが、だからといって「映画の仕事をやれ」みたいなプレッシャーを感じたこともなかったと思います。それどころか、父からは「自分の好きなことをやればいいよ」と言って育ててもらいました。


―劇中ではマチューとピアノの出会いも、マチューと先生との出会いも、すべてひと目ぼれのようなところがありました。おふたりにもそういった経験はありますか?


監督 僕は直感的な人間で、本能的なところがあるので、人生のなかでも大部分がそういう経験に基づいているんじゃないかな。ただ、映画に関することは考えてから行動しています。だから、日常生活においては、やってしまったあとに考えるタイプなんですよね(笑)。とはいえ、やはり本能や直感はすごく大事なことだと思います。


ジュールさん あまり考えずに行動することがあるので、よくないなと思っているところもありますが、僕も監督と同じタイプですね。

―では、仕事のうえでのモチベーションとなっているものを教えてください。


監督 監督としては、「失敗したくない」という気持ちがモチベーションになっていると思います。ただ、どうしても1歩前に進んでは後退したり、何かを始めてもそれがうまくいかなかったりすることの繰り返しではありますが、間違っていると思うことがあっても、「うまくいくんだ!」と自分を信じて前に進むことが大切なんじゃないかな。


ジュールさん 僕は、自分がやりたいことを自分のなかだけで抱えるのではなく、周りにもきちんと提示することが大事だなと思っています。


―人間ドラマだけでなく、恋愛、さらにパリのロマンチックな景色など女性にとっても見どころはたくさんありますが、改めて注目して欲しいところをメッセージとしてお願いします。


監督 情熱や継承といったことも作品では語っていますが、まずはこの映画を観て音楽に恋をして欲しいですね。そして、クラシック音楽やパリなどに対する“アムール”も描いているので、その愛をみなさんにもぜひ受け取ってもらえたらと思います。


ジュールさん 僕も100%同じ意見です(笑)!

心を動かす音楽と出会いの奇跡を体感!


どんな環境のなかでも、自分の才能を信じ続けること、そして自分を信じてくれる人との出会いの大切さを教えてくれるサクセス・ストーリー。交差することのなかった人生がぶつかりあったときに生まれる奇跡と熱量に、思わず胸が熱くなるのを感じるはずです。

ストーリー


パリの駅に置かれたピアノで、警察の目を盗んで演奏することを楽しみに生きている青年マチュー。ある日、偶然通りかかった音楽学校のディレクターであるピエールは、マチューの旋律に強く惹かれ、思わず足を止める。そして、マチューをピアニストとして育てたいと申し出るのだった。


しかし、生い立ちに恵まれないマチューの前に、周囲との格差やさまざまな問題が立ちはだかる。コンクールを目指すと決めた彼らの戦いが、いま始まろうとしていた……。

情熱的な予告編はこちら!

作品情報

『パリに見出されたピアニスト』

9月27日(金)より ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー

配給:東京テアトル

©Récifilms – TF1 Droits Audiovisuels – Everest Films – France 2 Cinema – Nexus Factory – Umedia 2018

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2019年09月26日 20時50分

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