GAKU-MC、「ウカスカジー」のニューアルバム創作秘話

2019年09月11日 18時30分

エンタメ anan

音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第8回目に登場するのは、Mr.Childrenの桜井和寿さんとGAKU-MCさんのユニット「ウカスカジー」から、ラッパーのGAKU-MCさん!

写真・黒川ひろみ


サッカーから始まった音楽ユニット


【音楽通信】vol.8


“音楽”と“サッカー”を愛する、Mr.Childrenの桜井和寿さんとラッパーのGAKU-MCさんによって結成されたユニットの「ウカスカジー」。桜井さんとGAKU-MCさんはそれぞれの活動を行いながらも、並行してウカスカジーとしても活躍されています。8月19日に配信限定ミニ・アルバム『金色BITTER』をリリースしたウカスカジーのGAKU-MCさんに、新作のお話をうかがいました。


ーー『ananweb』には初登場なので、ウカスカジーさんの結成のときのお話から振り返らせてください。Mr.Childrenの桜井さんとGAKUさんがユニットを結成されたきっかけはなんですか。


そもそもは桜井和寿の作る作品が好きでしたし、僕の作品も聴いてくださっていたこともあって、2001年ごろにあるタイミングで出会ったときに、お互いにサッカーをやっているのは知っていたので「サッカーを一緒にやりましょう」と伝えたことがありました。


そして定期的にサッカーを一緒にやるようになりまして、彼が別でやっているプロジェクトのBank Bandで、僕の曲をカバーしてもらったことから、音楽の話をよくするようになったんです。


そうこうするうちに「音楽を一緒に作ろうよ」という話になって、最初に出したのが2006年の「手を出すな!」という曲。その当時はまだウカスカジー名義ではなく、GAKU-MC / 桜井和寿(Mr.Children)という名前で活動していて、その後定期的にフェスなどで歌うようになりました。


2013年になって、翌年に開催されるサッカーのFIFAワールドカップブラジル大会に向けて、以前発表した「手を出すな!」の新しいバージョンを作ってあらためて日本代表を応援しようということで「ウカスカジー」になって、ユニット名で初の楽曲となる「でも、手を出すな!」を出したんです。


ーーではあらためて、ウカスカジーというユニット名の意味も教えてください。


これはですね、ローマ字で書いていただけるとわかるかと。UKASUKAG。逆から読むと……。


ーーガク、サク……! おふたりのお名前からきているのですね。


そうですね! 最初はローマ字表記で「UKASUKA-G」だったんですけど、そのうちカタカナになって、造語っぽくていいやって。

桜井和寿はチームメイトのような存在


ーーGAKUさんご自身は、今年、ソロデビュー20周年ですよね。ご自身の活動と、このウカスカジーというユニットの活動、どのように考えていますか。


「GAKU-MC」は本業で、これをちゃんとやる。サッカーでいうところの「リーグ戦」みたいなところですね。「ウカスカジー」は、どっちかっていうと「代表戦」みたいな感じ。ちゃんとやっていると、結果を出すと呼ばれる。定期的に試合があるみたいなところですかね。よく我々は「ウカスカジーはバイトです」っていう言い方をすることもあるんですけど、でもぼくは“代表戦”みたいな印象が強いかな。


彼は彼で本業がありまして、お互いに本業をちゃんとやっているからこそ、ウカスカジーもあっていいなと。こうしてウカスカジーをこの先も続けていくためには、GAKU-MCとしてもちゃんと闘い続けていかないとと思っています。


ソロの20周年ツアーが秋にあって、二十歳だから「ハタチ旅」と題して、キャンピングカーで全国に行くんですよ。みなさんからリクエストを受け付けていて、その中から選んだ曲を歌うぞという旅。ウカスカジーも、ソロのツアーにも、ぜひ来ていただきたいです。


ウカスカジーはいまツアーが始まったばっかりなんですけど、すごく楽しい。ふたりだと頼れるところもあるし、ステージもすんごく気楽だし、それは桜井もきっとそう思ってくれていると思っています。「MC、これやってください」って言うと、「えー! 俺、これやるの!?」みたいな感じで、自分のステージだと絶対にそんな気持ちにはならないはずだから。


日本代表のメンバーが集まっているようなイメージですから、バンドメンバーは演奏が上手ですし、照明さん、音響さん、すべての人たちが代表クラスなので、ありがたいです。


ーー桜井さんは、すでに家族のような存在なのでしょうか。


家族というか、チームメイトですよね、完全に。家族同士ももちろん仲良いですし、年に何回一緒にバーベキューをやってるんだって話もありますけど(笑)。サッカーでもしょっちゅう一緒ですし、家族でありチームメイトでもありますし、もちろん尊敬するミュージシャンでもありますし。いい間柄だと思います。

甘いけどほろ苦さもある『金色BITTER』


ーーでは曲については、ラップのパートはGAKUさん、歌のところは桜井さんということで、どちらかがテーマを持ち込んで共作されているのでしょうか。


ケースバイケースですけど、たとえばぼくが「こういう曲が作りたい」というのを投げて、それを桜井が「じゃこういう楽曲にして、トラックはどうするか」というのをふたりきりで作り始めたりすることも。桜井邸にある日、午前中行きまして、午後になってもふたりで「ああでもない、こうでもない」とピザをとりながらずっと曲作りをやるみたいな日が何日間かあるんです。


時には「もっと違うやり方でやってみよう」と試みることもあります。今回のアルバムの中にある「雪物語」という曲は、前々回のツアーで行った「20分で曲を作ってみよう」というコーナーから生まれた曲です。このコーナーは、お客さんに、どんな曲がいいかという希望を書いてもらい、その紙が入ったアンケートボックスの中から、無造作にいくつか紙を引くというものです。そこには「テンポはどれくらい」「コードはメジャーか、マイナーか」「歌い出しはGAKUか、SAKUか」みたいなものが書かれていて。それで毎回、お客さんの前で曲を作って、20分で必ず着地しています。


ーー大喜利みたいですね。


そうそう、そうですね。このコーナーが好評でしたね。何公演かで集まったモチーフから、北海道でできたものを選んで、それをバンドメンバーで清書して歌詞も書き足して、そうやって作った曲が「雪物語」です。


ーー「雪物語」は失恋ソングのようですが、基本的には元気をもらえる曲が多い印象です。そのあたりは念頭に置かれて制作されているのでしょうか。


ウカスカジーは、ふたりともサッカーが好きなので、日本代表の応援歌を作ったりとか、背中を押すような応援曲というのが今まで多かったんです。今回もそうなるのかなという思いで作業を始めたんですけど、意外と「光があるのは影があるおかげ」「ポジティブなのはネガティブがあるおかげ」という、そういう影の部分にもどんどんフォーカスしていくようになりました。


そういう部分にもうちょっと光を照らしてもいいんじゃないかっていうことでね、今回は幅が広がっていったんですよね。アルバムタイトルも、もうちょっとほかのものもあったんですけど、最終的に『金色BITTER』に。甘いんですけど、ほろ苦さもちゃんとある、チョコレートみたいなタイトルになりました。


ーージャケ写には、金色のアルミで包まれたコインチョコレートが使われていますね。


これわざわざ作ったんですよ。チョコのアルミがちょうどいい破れ加減なんです。破れてなかったら、ただの金貨だから。


ーーいま行われているツアーの東京公演として、9月29日に豊洲PITでの追加公演と、「〜MIFA秋祭り〜」のふたつがあるんですね。


ツアーのファイナルと同時に、実は豊洲PITの隣りに僕らが立ち上げた「MIFA(Music Interact Football for All)」という団体が運営するサッカー場があるんです。そのサッカー場の5周年運営記念パーティとして「〜MIFA秋祭り〜」をやるんですが、お祭り自体は毎年やっています。


サッカー教室があったり、子どもたち相手に縁日みたいな金魚すくいがあったり、サッカー選手みたいに髪の毛を切ってあげる床屋さんが入ったり、盆踊りをやったり。そういう楽しめるコンテンツがあるので、それと一緒にウカスカジーのライブもあると。ライブはチケットがないとだめなんですけど、お祭りは無料で来ていただいても、楽しめるようになっているんですよ。


ーーMIFAは、2012年に「音楽とフットボール」を柱に、人と人をつなげていくという目的で立ち上げられた団体ですよね。こういった活動をしたいと考えても、現実ではなかなか実行できない方もいるかもしれません。GAKUさんのように、実際に団体を立ち上げるというパワーがすごいと思います。


MIFAを立ち上げることができたのも、いろいろないい出会いがあったからこそです。音楽をやめてしまった同業者はいっぱいいますけれども、ぼくはサッカーを続けているからこそ元気になれて、こうして何年も音楽を続けることができているんじゃないかなと。


音楽家だけれど感謝すべきは音楽だけじゃなくて、サッカーにも感謝しなきゃという思いがありまして、そういう「サッカーと音楽でみなさんに還元できるようなものを作りたい」と、MIFAという団体を立ち上げました。


音楽だけじゃなく、サッカーを応援するにはどうしたらいいかと考えると「サッカー場の運営」ということになって、不動産屋を巡って、いい土地が見つかってこういう感じになったんです。

ラップが好きな人もミスチルが好きな人も楽しめる音楽


ーーGAKUさんにとって、音楽以外にサッカーが重要なものなのだと思うのですが、いつ頃からサッカーをされているのですか。


小・中・高とやって、挫折してやめて、それで音楽にいきました。


ーーいま好きなサッカーチームはいますか。


いまは日本代表が好きで、応援することが生きがいですね。ウカスカジーは応援歌に特化した曲もありますし、それこそスタジアムでぼくらの曲をサポーターの人が歌ってくれることもあります。2018 FIFAワールドカップ のロシアの大会にも、ひとりでリュックサックを背負って観に行ってきました。ロシアの会場でもウカスカジーの曲を流してくれていて、自分たちの曲を聴くのは感慨深かったです。


ーーそうだったのですね。GAKUさんは音楽活動以外のときは、普段はやはりサッカーをされているのでしょうか。


サッカーは週2でちゃんとやる感じですけど、最近は子どもを連れて区民プールに行ったりして、子育てもしています。


ーーGAKUさんは以前、家族で世界一周をされたこともありましたよね。


子ども2人と妻を連れて、4人で行きましたね。「アフリカ行ってきました」「海外行ってきました」もいいけど、「世界一周行ってきました」のほうがインパクトあるなと思って。関係各所にいろいろ頭下げて、調整には時間がかかりました。


ーーご家族で長期間海外に行くことについて、奥さまは反対されなかったのですか。


むしろ「絶対行きたいー!」って言ってました。(笑)


ーー(笑)そうなんですね。では好きな女性のタイプというと、愛する奥さまのように理解のある人でしょうか。


そうですね……そうだと、言っておくべきだと思います(笑)。妻です!


ーー奥さまが一番ですよね。では女性全体として考えたときに、魅力的に思える女性像は。


健康的な人がいいですよね。なんでも一緒に楽しめるような人かな。


ーーたとえば女性も一緒にサッカーをするようなイメージでしょうか。


いいと思いますよ! 妻もママさんサッカーを始めましたから。MIFAでやっているイケメンコーチによるママさんサッカー教室に行って、だいぶ僕に対する見方が変わってきました。年がら年中サッカーを観ていると、前は「またサッカー?」と言われていたのに、いまは「このパス、いいわね」と言うようになってますから。そんなふうに、一緒に外に出て、汗を流すことができる女性がいいですね。


ーーわかりました。では最後に、あらためてウカスカジーの魅力と、『金色BITTER』をみなさんにこんなふうに聴いてほしいという思いを教えてください。


そもそもウカスカジーが、Mr.Chirdlenのひとりと、ひとりのラッパーがかけあわさっているケミストリーだというものを感じてもらえれば。ラップが好きな人も、Mr.Childrenが好きな人も、どちらも楽しんでいただけると思います。


アルバムも、金色であり、ビターであると。元気でやってるやつも疲れることがありますし、悪いことが続いたら必ずいいことがありますし。モノにはいろんな側面があるから、みんなそういうような面持ちでいけるように、『金色BITTER』を聴いてほしいなと思います。

取材後記

「朝からサッカーをしてきました」と、颯爽と取材現場に登場されたGAKUさん。私たち取材陣に握手をされて、まっすぐに澄んだ瞳でインタビューに応えてくださいました。精力的に活動されるポジティブさで、ソロでもユニットでも多くの人たちにその思いが届いていくのでしょう。まずはニュー・ミニ・アルバムをチェックしてみてくださいね。

ウカスカジー PROFILE


日本を代表するロックバンド、Mr.Childrenのボーカリストの桜井和寿と、アコースティックギターを弾きながらラップする日本ヒップホップ界のリビングレジェンドのGAKU-MCからなるユニット。


2006年、GAKU-MC / 桜井和寿(Mr.Children)名義での「手を出すな!」を発表後、フェスなどでも活動。2013年3月、「ウカスカジー」として初の楽曲となる「でも、手を出すな!」を配信リリース。2014年5月、サッカー日本代表公式応援ソング「勝利の笑みを 君と」配信リリース。6月、1st ALBUM「AMIGO」、2016年7月、2nd ALBUM「Tシャツと私たち」リリースなど、ウカスカジーとしてのフェスへの参加や全国ツアーの開催、楽曲発表などを行う。


2019年、8月19日リリースの配信限定ミニ・アルバム『金色BITTER』をリリース、さらにリリース同日、福岡から全国ツアー「ウカスカジーTOUR 2019 WE ARE NOT AFRAID!!」を開催。ファイナルとなる9月29日(日)豊洲PITでは、「MIFA Football Park 5th anniversary party 〜MIFA秋祭り〜」も行う。

Information


New Release

『金色BITTER』

1.We are not afraid 

2. 敗戦の夜に

3. 言葉 

4.Hi-Five 

5. 雪物語

6. 時代 

7. また会う日まで


8月19日配信

ダウンロード単曲:250円(税込み)

バンドル価格:1,650円(税込み)

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2019年09月11日 18時30分

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