同性愛に目覚めた少女の発作が招いたのは...衝撃のホラー映画『テルマ』

2018年10月18日 18時30分

エンタメ anan

北欧といえば、女子が憧れるインテリアやライフスタイルで知られていますが、その洗練されたセンスは映画界でも注目の的。そんななか、北欧ホラーの新たな衝撃作が誕生し、話題となっています。今回ご紹介する作品とは……。

美しくも恐ろしいイノセントホラー『テルマ』!


【映画、ときどき私】 vol. 193


ノルウェーの人里離れた田舎町で生まれた少女テルマ。信仰心が強く、抑圧的な両親のもとで育ったテルマには、なぜか幼少期の記憶がなかった。その後、大学生となったテルマは、学校に通うため、オスロでひとり暮らしを始めることに。


そこで出会った同級生のアンニャと初めての恋に落ちるテルマ。募る欲望と罪の意識とに引き裂かれそうになりながらも、魅力的な彼女に惹かれていってしまうのだった。そして、テルマは不可解な発作に襲われるようになり、そのたびに周囲では不気味な出来事が起こるようになる。封印されたはずの “恐ろしい力” がついに解放されようとしていた……。

本作はアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞では外国語映画賞のノルウェー代表にも選ばれ、さらに世界各国の映画祭を震撼させた話題作ですが、今回はこの作品に込めた思いをこちらの方に聞いてきました。それは……。

北欧が誇るヨアキム・トリアー監督!


鬼才ラース・フォン・トリアー監督の親戚でもあるヨアキム・トリアー監督(写真・右)は、2006年に長編監督デビューし、本作が長編4作目。現在は、ノルウェーを拠点にしていますが、すでに国際映画祭の常連となるほどの才能を見せつけており、2013年には「ニューヨーク・タイムズが選ぶ注目の監督20人」にも選出されたことがあるほど。そこで、新たな挑戦ともなった本作について、語ってもらいました。

何にも縛られないジャンルを超えた作品になった


―監督自身は本作を「ロマンティック・スーパーナチュラル・スリラー」と名付けているように、ジャンルにとらわれないあらゆる要素が含まれていますが、このストーリーをどのように構築していったのでしょうか?


監督 僕はこれまでの長編3作品では、人間関係や人間の心理に迫るものばかりを手がけてきていたから、今回は自分なりに空想の世界に飛び込んでみようと、純粋なホラーを作りたいと最初は思っていたんだ。でも、あまりにも僕の心がキャラクターに寄り添いすぎてしまったから、ホラーという意味では違うものになってしまったともいえるかもしれないね(笑)。


―その過程で影響を受けたり、意識していたりしたことはありますか?


監督 今回は、スティーヴン・キングやヒッチコックの映画で描かれてきたようなサスペンスの手法と人間の意識下にあるものとをミックスしてみたいというところからスタートしていたんだ。「我々が頭のなかで描くファンタジックな空間」というのを模索してみたかったからこそ、いままでのアプローチとは違うものになったんじゃないかな。


だから、この作品というのは、枠組みに収まったり、何かに縛られたりするようなものではなく、ジャンルを超えたものになったんだ。そして、それと同時に映画で伝統的に描かれてきた “スーパーナチュラル” を祝福する映画でもあるんだよ。

映像においてこだわったこととは?


―そういった意味でも監督にとっては、チャレンジの多い作品だったということですね。特に、映像的なチャレンジが大きかったと感じているようですが、なかでも難しかったことはどんなことでしょうか?


監督 いまはデジタル技術が進化してCGが使えるようになっているけれど、やはり観客にとって実際に撮るものと感覚的に等しいものでなければいけないんだ。つまり、「見て信じられなければ成立しない」ということなんだよ。だからこそ難しいんだけど、この作品では人間の髪や氷を描くのが一番大変だったかな。というのも、人間がもともと知っているものだから、ちょっとでも違うと、みなさん「違う」と本能的に反応してしまうからね。


ロボットや怪獣のような空想的なものは、実際に存在しないものだから共有できてしまうんだけど、今回は触れられるようなリアルさと「わかるわかる」と感じさせるようなものを作るというのが大切なポイント。僕にとって映画というものは、体験するものであり、感じるものであるから、そこがすごく重要だったんだ。本作ではデジタル技術において素晴らしいコラボレーターたちを北欧から集めて作ることができて、僕にとっては最高な経験だったよ。

肉体と映画がつながる瞬間を体感できるはず


―こだわりの映像のなかでも、テルマがフラッシュライトを浴びるシーンが印象的で、まるで自分とテルマがリンクするような感覚にもなりましたが、あのシーンに込めた思いを教えてください。


監督 あのフラッシュライトはすごく考え抜いて取り入れたんだけど、映画的空間においても重要な部分なんだ。僕は幼い頃から、世界中の映画を観てきたシネフィルで、たとえば塚本晋也監督の『鉄男』シリーズやアメリカのホラー映画とかをたくさん観まくってきたけど、そのなかで自分が一番グッとくるのは、やはり映像。特に、自分の肉体と映画がつながりを感じられる瞬間なんだ。


だから、今回もみなさんの体を通して、映画的体験というものを味わうことができるように考えて取り入れたんだよ。ホラーやスリラーのおもしろいところは、「見てみたいけど、ちょっと怖い」みたいな気持ちが観客にあることによって、作り手はリズムで遊ぶことができること。つまり編集することで、怖さと好奇心との両方をひきつけるようなシーンを作ることができるというのが醍醐味なんじゃないかな。


この作品の場合、テーマのひとつは「コントロールを失うことへの不安」。テルマのアイデンティティの部分と観客がリンクしてくれるような作りにもなっているから、みなさんにとっても、おもしろいと感じてもらえるシーンだといいなと思っているよ。

解き放たれる自由を女性に感じて欲しい


―本作では若い女性が成長する姿も描かれているので、日本の女性たちにもこの作品から感じて欲しいことをメッセージとしてお願いします。


監督 この作品は、家族や社会という枠組みのなかで、自分のなりたい人間になろうとする苦悩を抱えている現代の女性を描いた物語。だから、解放や自由、そして女性としてより力を持つ、そういう部分が本質的なテーマでもあるんだ。


背景には女性としていろいろな機会を与えられていないことだったり、自分に自信がなかったりする部分もあるけれど、僕が描こうとしていたのは、新しい体験をしながら、自分が望む人生や本当の自分をどうやって見つけていくのかというプロセス。みなさんにもそれが伝わるといいなと思っているよ。とはいえ、エンタメとして楽しんでもらえる映画にもなっているから、ぜひ観てもらいたいね。

忘れられない刺激的な体験となる!


北欧ならではのスタイリッシュな美しい映像に反して、先の見えない恐怖と緊張感に釘づけになってしまう本作。ジャンルを超えた展開と予測不可能な衝撃のラストに、あなたのなかに封印された思いも解放されてしまうかも!?

目が離せない予告編はこちら!

作品情報

『テルマ』

10 月 20 日(土) YEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマ ントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

配給:ギャガ・プラス  

ⓒ PaalAudestad/Motlys

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2018年10月18日 18時30分

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