当初はクレームの嵐 『コード・ブルー』に見る“ヒットの法則”3つ!

2018年07月12日 11時00分

エンタメ anan

番組プロデューサー・増本 淳さんが明かす、大人気ドラマの“ヒットの法則”。『コード・ブルー』で描きたかったこと。

目指したのはリアル。でも、放送開始当初はクレームの嵐!


「それまでの医療ドラマは、紋切り型の天才ドクターが主役でした。けれど、実際の医師は私生活で欠点もあれば、もっと人間くさいもの。だからこそ魅力的に思えるわけで、そこを描きたかったんです」


そんな増本さんの思いから、『コード・ブルー』は生まれた。


「取材を始めた12年前、周りの若者の多くは、能力はあるのに失敗が怖くてやりますと名乗り出ないタイプだった。そんな若者を主役にしたくて、最初に浮かんだキャラが白石。一方、そんな白石を刺激し、成長させるための当て馬として必要だったのが“俺にやらせろ”と手をあげる藍沢でした」


実は当初、他でもナイーブな役が多かった山下(智久)さんを白石役に考えていた。ところが…。


「実際に山下くんに会ったら、武骨で野心家な青年だった。そこで、世間的な彼の線の細いイメージを剥がすならこのドラマだ、と山下くんを藍沢役に。何にも染まれる“白”を名前につけた白石は、イメージにぴったりの新垣(結衣)さんにオファーをしました」


各シーズン、その期の最高視聴率を獲ってきた本作だが、実は放送開始当初はクレームの嵐だった。


「ピアスした医者や、重症患者ほど面白いから自分が手術したいと言う医者なんていないって、ボロカスに言われて(笑)。でも、それが取材で知った現場のリアル。清廉潔白で自己犠牲の塊みたいな医者なんて実際はいないんです。『医龍』も手掛けた1st、2ndの脚本家の林(宏司)さんとさんざん悩んだけど、僕らはカウンターでいい、と独自路線を貫くことにしました。結果、最初に肯定してくれたのは本職のお医者さんたち。そこから徐々にみなさんに受け入れてもらえるようになりました」


そんな増本さんに、本作の人気の理由を分析していただきました。


ヒットの法則【1】ストーリーではなく、キャラクターが主役の作品

「物語ありきにすると、完結した時に続きを観たいという情熱は冷めてしまう。だからこそ、人を一番大事に描きたいと思いました」


特定のテーマを設けるのではなく、5人の主人公の人生そのものを主観にすれば、物語に終わりはなく、観客は長く愛してくれる。それが、増本さんの考えだった。


「例えば、今も藍沢はどこかの手術室でメスを握っている気がする。あいつ今何してるの? 医者になって忙しいらしいよ、って懐かしい同級生を思う感覚です。自信家で野心的な藍沢、真面目で自己主張が苦手な白石、向こう見ずで感情的で、でも一番みんなを思っている緋山、医者家系ながら医者になれず、自他ともに厳しい冴島、調子に乗りやすく重圧に弱い藤川。彼らの成長を見たいから『コード・ブルー』は色あせないんです」


ヒットの法則【2】医師たちの“現実”を描いた、新しいタイプの医療ドラマ

これまで数々の医療ドラマを作ってきた一方で「医者を神格化しすぎてきた」という反省もあった。


「だからこそ『コード・ブルー』では、もっと人間味のある医者を描きたかったし、現場のリアルを追求することで彼らを魅力的にしたかった。医者だからといって聖人ではないし、自分の向上心や症例のために医療を行うことがほとんど。自己中心的とも言える。そんな人たちが、患者と向き合ううちに自分の利益を忘れ、誰かを本気で助けたいと思って動く。そんな姿をきちんと描けば、観客の胸を打つのではないかと。医療のありかたに物申したり命の尊さを訴えるのではなく、そこで働く人たちに光を当てたのが本作。以降、医療ドラマは“スーパードクターもの”と“リアル系医療ドラマ”に分けられるようになりました」


ヒットの法則【3】常に第一線で活躍し続ける、奇跡のキャスト陣が集結

「ヒットの法則なんてわかりませんよ(笑)」と笑う増本さんが「『コード・ブルー』が長く愛された一番の理由」と語るのが、常に魅力的であり続ける5人の役者たち。


「山下くん、新垣さん、戸田さん、比嘉さん、浅利くん。全員が、この『コード・ブルー』がなくても、第一線でいい仕事をして世の中から愛され続けている。この5人だから、視聴者はまた観たい、と思うんですよね。そして、これだけ人気者が集まっているのに、彼らはこれまでに一度もギクシャクすることがなかった。仲が良くて、かといって馴れ合いになるわけでもなく、常に現場に前向きな空気を作り出してくれたんです。いい距離感で付き合える5人がたまたま集まったのだと思いますね。こんなスターたちを集めて映画まで作れて、本当にありがたいです」


『劇場版コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命―』 地下鉄トンネル崩落事故から3か月。それぞれが進むべき道を選んだ5人は、別れの日が迫る中、忙しい現場での日々を送っていた。そんな時、“空”と“海”で未曾有の大事故が発生。史上最悪の現場に、彼らはどう立ち向かうのか…。7月27日より全国東宝系にてロードショー。©2018「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」製作委員会


増本 淳さん フジテレビジョン編成局制作センター副部長。『救命病棟24時』『Dr.コトー診療所』『リッチマン、プアウーマン』などを手がける。


※『anan』2018年7月18日号より。取材、文・若山あや


(by anan編集部)

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