ダイエット外来医師による炭水化物との上手な付き合い方

2019年12月11日 12時00分

ダイエット ビューティ YOLO

ダイエットの天敵・炭水化物ばかり食べてしまうアタナへ




ダイエット中は炭水化物を控える、というのは今や常識。でも、主食のご飯やパンを制限するのは、やっぱり辛いもの。それに、炭水化物に含まれる糖質を極端に抑えると、思わぬ弊害が生じることも。そんな炭水化物との上手な付き合い方を、ダイエット外来医師の工藤孝文先生に教えてもらいました。


ストレスを減らして糖質依存を軽減する


炭水化物がなかなかやめられない理由は?


血糖値の上昇度を示すGI値が高く、糖質も多い白米やパン、うどんなどの炭水化物。食べ過ぎると太りやすくなるとはわかっていても、そのおいしさに負けてしまいがちですよね。


人はなぜ、これほどまでに炭水化物を好むのでしょうか?その原因の一つは、炭水化物に多く含まれる糖質を摂取するとβ–エンドルフィンの分泌量が増える、ということにあります。


β–エンドルフィンとは、鎮静効果や幸福感を得られる脳内の神経伝達物質で、「脳内麻薬物質」とも呼ばれるほど中毒性があるもの。特に、脂肪と糖質を一緒に摂るとβ–エンドルフィンの分泌量が増え、依存性が高まります。ストレスが溜まっている状態では、それを軽減しようと脳がさらにβ–エンドルフィンの分泌を促し、より一層、依存傾向がアップします。そのため、人はなかなか炭水化物をやめられないのです。


漫画や小説など「食前書」でストレス軽減




糖の過剰摂取から抜け出すためには、ストレスから解放されるのが一番。そこで取り入れたいのが、漫画です。食前に好きな漫画を読み、その世界に没頭していると、幸せホルモンのセロトニンが分泌されます。するとストレスから解放され、糖質依存が軽くなります。


読むものは小説でも構いませんが、文字をたくさん読むことで食前に脳が疲れてしまうと、逆にストレスとなり、食事で糖質を摂りたくなってしまう危険性があります。漫画の内容も深刻なものは避け、軽く読んで楽しめるものを「食前書」に選びましょう。


炭水化物を減らさず食事時間のサイクルを一日12時間以内に




炭水化物を我慢することが難しいなら、その量を減らさずにダイエットするのも一つの手。「そんなことできるの?」と信じられない気がしますが、「食事の時間」を工夫すれば、それは夢ではありません。


たとえば、午前7時に朝食をとり、午前12時に昼食をとるとします。そして、午後3時ごろに間食をして、午後8時に晩酌をしながら夕食をとり、午後10時に食べ終わったとしましょう。この場合、食事の時間は午前7時~午後10時の15時間。この間、何か食べるたびに消化器官は働くことを繰り返しています。


この食事時間のサイクルを、「一日12時間」に収めるのがポイント。朝食が午前9時なら、午後9時以降は何も食べてはいけません。こうして「食べる」時間と「絶食」の時間をきちんと分けることで、時間の感覚を作り出す体内時計にメリハリがつきます。


12時間のプチ断食でいいこと尽くし


その結果、糖質や脂質の代謝がよくなり、エネルギー消費量も改善され、腸内環境のバランスも整います。 さらに、12時間のプチ断食によって長寿遺伝子・抗老化遺伝子が活性化されることで、アンチエイジングの効果も期待できます。


12時間の絶食、と聞くと大変そうですが、睡眠時間が7時間だとすると、残りは5時間。これなら、「お腹が空いた」と感じることも少ないはずです。しかも、食べてよい12時間は食事制限をする必要もありませんから、ダイエット中の辛い思いは、かなり軽減されるでしょう。


炭水化物を我慢しすぎると食後のデザートに手が伸びがちに


満腹なのに甘いものが食べたくなるのはなぜ?




食事がひと通り終わり、お腹がいっぱいになっても「甘いものは別腹」と言ってデザートを食べてしまう……。これ、心当たりのある人も多いのでは?もちろん、人間の胃は一つしかなく、「別腹」など存在しません。それでも不思議なことに、満腹の時にも甘いものは食べたくなるし、また食べられてしまうのです。


一体どうして、満腹でも甘いものは食べられるのでしょうか?そこには2つのホルモンが関係しています。


一つは、甘いものを食べると分泌される脳内麻薬、β–エンドルフィン。その作用により、甘さを感じると脳は幸福感や陶酔感に包まれます。幸福感はドーパミンの約20倍にも相当するとされ、当然、中毒性も高くなります。このホルモンは甘いものを見て「きっとこんな味がするんだろうな」と想像するだけでも分泌されるため、満腹であっても「食べたい」という気持ちが湧いてくるのです。


もう一つは、オレキシンという脳内物質。「甘いものを食べたい」と感じると、このホルモンが放出されます。そして、これから入ってくる食べものを受け入れるために胃を広げ、胃の中に残る先に食べたものを小腸へと送り出します。その結果、「別腹」と呼ばれるスペースが生まれるのです。


糖質は主食できちんと摂ればデザートに手が伸びにくくなる


そもそも食後のデザートは、肉や魚などのタンパク質が多く、糖質が少ない料理をメインとした西洋料理で発達したもの。不足した糖質はデザートで補う、ということで、理にかなっているわけです。一方、お米とおかずをセットで食べる日本食は、もともと糖質が多め。そのため別腹は生まれにくいはずなのですが、食事制限でお米の量を減らしていると糖質が不足し、その分をデザートで補いたくなってしまうのです。


お米とは違い、デザートは糖質だけでなく脂質の摂りすぎにもつながります。ですから、食事でお米をきちんと食べて、適度に糖質を摂ることが大切。そうすればお米の糖質によって脳が満足し、デザートに手が伸びにくくなるはずです。


炭水化物を頑張って我慢しても、その分、甘いものを食べ過ぎてしまっては本末転倒。極端な糖質制限はダイエットに思わぬ悪影響を及ぼすこともあると、肝に銘じておきましょう。


置き換え食材を使って解決! 満腹&低糖質おかず7品


炭水化物を控えたい時には、ご飯やパスタを低糖質の食材に置き換えたメニューを上手に取り入れて。栄養士の藤岡操さんによるレシピは、ヘルシーで低カロリーなのに物足りなさは一切なし!栄養面もバッチリです。


ご飯 → カリフラワーライス「きのこビーンズストロガノフ」




⇒作り方はこちら

ご飯をカリフラワーライスに置き換え、小麦粉を使わずにルーを作ることで、糖質と脂質を大幅にカットしたライスプレート。ルーのとろみは、低脂肪ヨーグルトときのこで再現できます。ミックスビーンズがたっぷり入って、牛肉なしでも食べごたえ十分。


ご飯 → 豆腐or切り干し大根「豆腐の炊き込みご飯or切り干しご飯」




⇒作り方はこちら

ご飯にヘルシーな食材を混ぜ込んで、糖質量を抑えつつ栄養価をアップしたレシピ。豆腐を一緒に炊き込めば、同時にたんぱく質も摂れて一石二鳥。切り干し大根は水に戻して混ぜ込むだけで食物繊維やミネラルをプラスできます。


中華麺 → しらたき「とんこつラーメン」




⇒作り方はこちら

中華めんをしらたきに置き換え、スープを豆乳+鶏がらスープの素+ニンニクで再現した低糖質のとんこつラーメン。しらたきを乾煎りすることで独特の生臭さをカットし、コシに似た歯ごたえをプラスすることができます。


ご飯 → しらたき「しらたき明太子炒飯」




⇒作り方はこちら

ご飯ではなくしらたきで作る明太子炒飯は、低糖質&低カロリーで食物繊維もたっぶり。細かく刻んだしらたきをパリッとするまで乾煎りする工夫で生臭さを消し、理想のパラパラ炒飯のような見た目と食感に。


ご飯 → 「大豆と枝豆/枝豆ご飯」




⇒作り方はこちら

ご飯に枝豆や大豆を混ぜるだけの手軽さで糖質オフを叶えるお助けレシピ。枝豆には糖質をエネルギーに変えるのを助けるビタミンB群がたっぷり。大豆は豊富なタンパク質でメリハリボディづくりをサポートしてくれます。


ご飯 → カリフラワー「カリフラワーライス」




⇒作り方はこちら

美肌づくりに欠かせないビタミンCを多く含むカリフラワーをご飯に置き換え、糖質もカットしたヘルシーメニュー。細かく刻んだカリフラワーは、具材と一緒に蒸せば炊き込みご飯風に、炒め合わせれば炒飯風にと、さまざまに活用できます。


パスタ → ズッキーニ「ズッキーニパスタ」




⇒作り方はこちら

細く切ったズッキーニをパスタ代わりにした低糖質レシピ。ペペロンチーニ風の味付けでカロリーを抑え、噛みごたえのあるナッツをトッピングして食べ過ぎも防止。ナッツとオリーブオイルによる血液サラサラ効果も嬉しいポイントです。



効率よくヘルシーにダイエットを成功させるには、炭水化物とどう付き合っていくかがカギ。食前のストレス発散や食事時間のサイクルの見直し、置き換えレシピの活用など、自分に合った方法で無理なく痩せ体質を目指しましょう。


ダイエット記事出典:『THE デブ脳』『改訂版 痩せグセの法則

監修:工藤孝文/ダイエット外来・糖尿病内科医。福岡大学医学部卒業後、アイルランドとオーストラリアへ留学。現在は福岡県みやま市の工藤内科にて、診療をおこなっている。NHK『ガッテン!』、NHK『あさイチ』、日本テレビ系『世界一受けたい授業』、フジテレビ系『ホンマでっか!?TV』などテレビ出演多数。日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・小児慢性疾病指定医。著書に『痩せグセの法則』(エイ出版社)など多数。


レシピ出典:『食べても太らない簡単スゴ技』

レシピ考案:藤岡操/栄養士。出版社勤務を経て独立。現在はフリーの編集者として、栄養士の知識を生かし、雑誌のダイエット企画やフードカタログを中心に編集、執筆に携わる。フードコーディネーターとしても、レシピ作成、料理、スタイリングなど幅広く活動している。

ライター:YOLO編集部


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