カルシウムだけじゃない! 骨を健康にする3栄養素とは?
摂取バランスは関係なし。とにかく3種を摂る!!
丈夫な骨は、健康的な暮らしのベース。骨粗しょう症は中年以降の病気という印象が強いけれど、生活の乱れから、最近は若い世代でも骨密度が低下してしまう人が少なくないとか。丈夫で健康的な骨を作るためにはどうするか。まず大事なのは、食生活です。
「骨といえば、まず頭に浮かぶのは“カルシウム”。カルシウムは骨の材料ですから、カルシウムを摂ることは非常に大切です。でも、それだけを摂っていればいいというわけではありません」
と言うのは栄養士の佐藤秀美先生。カルシウムを骨にするには、カルシウムの吸収を促すビタミンD、そして骨への沈着を助けるビタミンKが必要なのだそう。
「3つの栄養素が三位一体で作用して初めて、丈夫な骨が作られるのです。食事の時は、この3つを意識して食材を選んだり、メニューを考えてみてください。摂取するバランスは特に考えなくても大丈夫。最近の若い世代の食事情から推察するに、どの栄養素も足りていないと思われます。特にビタミンKが不足していると考えられているので、そのあたりを意識して、たくさん摂る。良い食事は、未来の骨への投資です!」
【カルシウム】欠かせない骨の材料。これがなければ作れない。
骨づくりに必須である栄養素のカルシウム。同時に、さまざまな細胞の機能や神経の伝達に必要不可欠な物質です。「カルシウムは血中に一定濃度保たれている必要があるので、食事からの摂取が不足した場合は、体は骨を溶かしてカルシウムを使います。そのために、カルシウムが不足すると骨や歯がもろくなるのです。ですからまずは、食事でしっかりカルシウムを摂ることが何より大事。左の食材を心に留めてくださいね」
こんな食材に入ってます
乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト) 大豆食品(豆腐、厚揚げ、高野豆腐、油揚げ) 魚加工品(いわし丸干し、サバ水煮缶、鮭水煮缶、しらす干し、ホッケ開き干し) 野菜(モロヘイヤ、大根の葉、水菜、小松菜、菜の花、青梗菜) その他(ごま、ひじき、切り干し大根)1日の理想摂取量:700~800mg
<摂取量の目安>
【ビタミンD】カルシウムの吸収率を高める、縁の下の力持ち。
「口からカルシウムを摂ったあと、カルシウムが腸管を通り抜け血中に入り、血液によって全身に運ばれて“骨”にたどり着き、そこで初めて骨の材料となるわけです。カルシウムは血中に入る時、ある種のタンパク質と結合する必要があります。そのタンパク質の合成に必要となるのが、ビタミンD。さらに、血中のカルシウム濃度が高まると、骨の形成が促進されます。ビタミンDの摂取は骨に良いことだらけです」
こんな食材に入ってます
生魚(紅鮭、かつお、さんま、いわし、銀鮭、かます、サバ、あじ、まぐろ、かれい) 魚加工品(さんま開き干し、いわし丸干し、うなぎの蒲焼き、しらす干し、スモークサーモン、つみれ、すじこ、イクラ) 魚の缶詰(いわし蒲焼き、さんま蒲焼き、サバ水煮) きのこ(舞茸、乾燥きくらげ、干し椎茸)1日の理想摂取量:10~20ug
<摂取量の目安>
【ビタミンK】骨にカルシウムを沈着させるのがお仕事です。
骨にたどり着いたカルシウムは、“骨に沈着する”ことで骨を作ります。その沈着を助けるのが、ビタミンK。「“カルシウムが骨に沈着”というのは、コラーゲンの芯にカルシウムが糊でペタペタと貼り付けられるような状態のこと。その糊の役割をするのが“オステオカルシン”というタンパク質で、ビタミンKは、オステオカルシンを活性化させるので、カルシウムが骨により貼り付いて、いい骨が出来上がるのです」
こんな食材に入ってます
野菜(モロヘイヤ、ほうれん草、ツルムラサキ、春菊、菜の花、小松菜、ニラ、カブの葉、ブロッコリー、サニーレタス、リーフレタス、白菜) その他(納豆、緑茶)1日の理想摂取量:250~300ug
<摂取量の目安>
佐藤秀美先生 栄養士、日本獣医生命科学大学客員教授。骨の健康維持のためのプロジェクト機関「コツコツ骨ラボ」の参画メンバー。TV番組などで、栄養に関する解説も。
※『anan』2019年10月30日号より。写真・小川朋史、料理作製・田村つぼみ
(by anan編集部)